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北欧旅行記〈ストックホルム・観光編〉

ストックホルムの街は魔女の宅急便のモデルのひとつということで、ジブリで育った私はウキウキだったわけです。
(といっても、オソノさんのパン屋さんなどのモデルは、ストックホルムにあるわけではなくて、ゴットランド島という島だそうです。ストックホルムから船や飛行機で行けるんですが、時間がなさそうだったのでまた次回…。)

ストックホルム街中には、時計台とか街中のシーンのモデルがあります。
う~ん魔女宅の雰囲気がしてジブリ好きには嬉しかったです。


ストックホルムの街

綺麗な街です、ストックホルム。
フォンランドの首都ヘルシンキよりも洗練された都会で、とても便利。だいたいどこでも英語表記があるし、地図や路線図などの案内も多いので初めて来る人でも街中を散策するのに不自由しない。それから、本気のカード社会(政府主導で頑張ったらしい)で、結局1度も現金を使いませんでした。なので、スウェーデンクローナ紙幣やコインのデザインを知りません。「現金お断り」なんて店まであります。
トイレは有料がほとんどですが、トイレの使用料すらカード払いできたりします(しかも少額なので暗証番号入力も不要で、カードを差し込むだけでOK)。

スウェーデンは移民・難民を多く受け入れてきた国。
ストックホルムは多民族社会です。街の中で耳にする言葉は、体感だけど半分くらい英語じゃないでしょうか?何でも、アメリカ人が多いらしい。あとは経済難民のアラブ系の人たちなど。なので、多様性に対応する供給があります。スーパーでも色んな食材が売られていました。日本食もだいたい何でも買えます。
安い店やスーパーもあって、安いモノもある程度供給されているので、基本的な物価は高いけど、フィンランドの首都ヘルシンキより安く暮らせそうな印象でした。

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遠くから見た時計台
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市庁舎のタワーに登って街を見下ろした(あいにく逆光)。実はストックホルムは島の集合体で、水が多い

今回の旅行を通して天気が良すぎたので、撮りたい景色が逆光というシーンに何度もでくわし、ちょっと悲しかったです。タワーとか、教会とか、ランドマークになる建物がちょくちょくあっていいですね。
天気が良いと水面がきらきらして、水のある街はとっても美しく映えます。写真では分かりづらいのですが。

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旧市街エリア
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有名なガムラスタン

旧市街・ガムラスタンは趣のある建物がたくさん。広めの市街地一帯がこんな感じで素敵でした。王宮はこのエリアにあるので、衛兵交代も見てきました。
ちなみにノーベル博物館もこのあたりにあります。ノーベル賞のメダルを模したチョコレートが買えるんだけど、高かったからやめました…。

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ノーベル賞を受賞した気分になれる♪

ストックホルムのカフェでfika

ストックホルムで良かったのは、何と言ってもカフェです。私はティータイムを愛しているので、年々カフェ批評が辛口になってきているのですが、fikaの国のカフェは素晴らしかった。コーヒーも紅茶も美味しいし、甘いものを一緒に食べる習慣もあるので、スウィーツのクオリティが高い。そしてゆったりくつろげる、せかせかしない空間。

fikaは、コーヒーと甘いものでひとやすみするスウェーデンの人たちの習慣で、まじでみんな毎日するらしい。ひとやすみと言っても、人とリラックスして話したい時とか、気を楽にしてコミュニケーションを取れる方法でもあるようです。もっとカフェばかりいけば良かったと思うくらい、どのカフェも美味しいし、なんせ居心地が良くて。
飲み物とケーキでだいたい1000円くらいとリーゾナブル。
日本よりケーキも飲み物もサイズが大きいので、実はこっちのほうが安いのでは、と思いました。

ここからしばらくカフェレポ

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レモンメレンゲタルト

これは街中のカフェNybergs Hembageri & Konditoriにて。
ロシアンアールグレイというなじみのない紅茶を飲んでみた。とても気に入ってお土産に同じフレーバーを探して買って帰りました。お花の香りのするアールグレイみたいな感じです。レモンメレンゲパイは少し甘すぎたかな。知覚過敏に滲みたよ…。
お店の居心地は最高で長居してしまいました。

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いちごのタルト。大きい!

ここはガムラスタンの中のフレッシュオレンジジュースがいちおしのカフェCafé Schweizer。タルト生地はそこそこだけど(少し焼きが甘いかな)、イチゴがとても美味しい。紅茶はスウェーデン定番のものを店員さんに教えてもらいました。お花のフレーバーが入ったやつ。美味しかったです。

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スウェーデンで定番のケーキ「プリンセス」

ここは老舗で有名な街中に何軒かあるカフェVete-Katten。
このプリンセスという名前のケーキ、めっちゃおいしかった!緑の外側の部分はマジパン、中はスポンジとクリームなんですが、フランボワーズがほんと美味しくて、その酸味がいい仕事をしているので甘さがくどくない。「プリンセス」「ブダペスト」という名前のケーキをよそでも見かけたので、スウェーデンでは定番のケーキなのかしら。
コーヒーも美味しかったです。

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ベリーのタルト。古風。

これはスカンセンの中のカフェ。
北欧のベリーのおいしさに気づいてからは、ベリーのものばっかり選ぶようになってしまいました。このケーキ、まじで素朴です。ベリーとクランブルの単純で質素なケーキなんですが、何か、お菓子とはこれでいいんだなと初心に帰りました。
フランス菓子みたいに美しい装飾を施した気品のあるケーキも好きだけれど、コーヒーのお供にひとやすみするときの素朴なお菓子は、人の手でつくったあたたかみというか、「甘いものでひとやすみしましょう」という自然な気持ちを味わうのにぴったりでしたね。

美術館、博物館、野外博物館「スカンセン」

カフェのほかには、長年行きたかった素敵な北欧建築の市立図書館にも行けて(美しかった)、美術館、博物館もいくらかいってきました。
ヴァーサ博物館は迫力でしたね。17世紀に沈没した船を引き上げて展示している博物館で、うん、昔は命がけで航海してたんだなと思いを馳せながら見ました。
世界史勉強したい欲があがりました。

そして、最終日は、この旅の主目的であるスカンセン。

スカンセンというのは1981年開園の世界最古の野外博物館で、スウェーデンの昔の暮らし民俗・風習等を建物や展示や催し物を通して体験できるところ。動物園も併設。
夏至祭は北欧の人たちが短い夏を祝うもので、スウェーデンではメイポール(夏至祭のシンボルで草花で飾った白樺のポール)を立て音楽を鳴らし、大人も子どもも一緒に音楽に合わせてダンスを踊るお祭りです。スカンセンの夏至祭では、スウェーデン各地方の民族衣装を着た人たちが踊るのを見られるとのこと。
私は民族衣装が大好きなんですが、中でもスウェーデンのやつは上位にランクイン(あとはボヘミア地方のやつとか、もちろん着物)。
それから各地の民俗、手仕事、暮らし等々も好きなので、スカンセンは私の興味そのものだな、なんて思ったのです。

スカンセンで夏至祭を体験する

今回の北欧旅行は、このスカンセンの夏至祭を観に行くことをメインに日程を組みました。
先に色々調べて知っていたけれど、夏至祭期間はすごい人です。スウェーデン各地から、世界中から人が来るそうで、チケット買うのに待ち時間がありました。まあ、すごい人って言っても園内はめっちゃ広いし、日本人の私は行列&激混みに慣れてるのでそこまでストレスではなかったです。

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スカンセン内の水源
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スカンセン内のおうち

園内は、自然が溢れ、スウェーデンらしいかわいいおうちや屋敷が点在しています。その中では、中世の暮らしを劇で紹介するツアー(めっちゃ面白かった)、活版印刷やパン焼き、吹きガラスなどの手仕事の実演などなど。
もう、私の「好き」を詰め込んだような内容で、最高でした。

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こういうインスタレーション

このおばちゃんたちも昔の服着て外で食事してるだけなんだけど、これも展示。こういうのめっちゃ好きなんで惹かれます。
園内は民族衣装を着た人がうろうろしてて、タイムスリップした気分にもなれます。

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夏至祭の時、花や草で作った花の王冠をつけるのですが、園内のマーガレット畑はテイクフリー。好きにつくって自分で飾りを付けれる。作りたかったんだけど一人参戦だったのでやめておいた…。切ない。

ステージの前の広場では、メイポールを立てる瞬間を見てきました。

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メイポール立った!

場所取りをしてなかったので、背の高い西洋人の後ろで実は全っ然見えなくて、必死で腕を伸ばして取った写真やムービーは、中で何が起こっているのか自分が見るためでもありました。
この後はフォークロア音楽の演奏と全員参加のダンス。民族調の衣装も音楽も大好きなので…幸せだった~。
お祭りなのでハッピームードで、みんな笑顔になるようないい空間でした。夏至祭は確か3日間続くので、連続で行ってもいいな…なんて思いました。
クリスマス期のスカンセンも来たいなあ。

初めての北欧観光を終えて

ストックホルムは美しい街でした。快適でした。ヘルシンキより見どころ多いかもしれないです。
フィンランドとスウェーデンは隣国だけど、歴史や民族、言語も違うので、似ているような似てないような感じでした。私が見てきた他のヨーロッパとは雰囲気全然違って(本当に平和だと思った)、面白かったです。ヘルシンキまでだと日本から直行便で10時間ほどなので、北欧は実は1番近いヨーロッパ。快適で便利で程よく都会だし、非常に観光しやすいな〜という感想です。小さい島もたくさんあって、首都から簡単に遠足で行けるので、いろんな観光ルートが組める印象。
あ、それから水がおいしいです。水道水がとてもおいしい。「水は公共資源」との考え方で、公園の水道の水を水筒とかにいれてOK。水には困りません。

今回、1年で1番日の長い時期に行きましたが、その長さには驚きました。外が暗いのはせいぜい3時間くらい。いつまでも明るいのでつい活動時間が長くなってしまい、毎日くたくたでした。
夏の日照時間がこんなに長いということは、冬はその逆でおそろしく短いということ。北欧の冬を想像すると、きつい直射日光を喜んで浴びる現地の人たちの気持ちも分かる気がします。
気候が生活スタイルへ及ぼす影響って絶大だな、と改めて。家の中も窓が小さかったり、電気の色は温かさを演出するためオレンジだったり。
冬は暖を取る工夫があるようです。

色んな土地の色んな暮らしを見るのはやはり楽しいです。次回の北欧は冬に行ってみたいですね。




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