メシウマスカッと
※某テレビ番組風に書いています
これは、私が中学生の時の話です。
私の友人の藤島君(仮名)*1は、小学生のときから放課後毎日のように遊んでいて、家族ぐるみの付き合いもしていた親友でした。
しかし、中学2年生になった頃から、突然私のことを露骨に嫌いはじめました。
別の友人と一緒に下校していたら、後ろから突然藤島君が走ってきて、友人をかっさらっていって独りぼっちにされたり、塾ではドアのカギを閉められたり机にゴミを入れられたりしました。
何か悪いことをしたのか・・・
唯一思い当たる節は当時はやっていたホームセンターでの万引きを拒否したこと…
しかし、先ほどの引き離された友人も、万引きはしていなかったはずです。
それ以来、私は塾にも行けなくなり、藤島君のいる友人グループに入れなくなってしまいました。
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ある日から、夢に藤島君が出てくるようになりました。
夢の中では藤島君と小学生の頃のように、楽しく遊んでいるのです。
朝起きて学校に行くと、違う現実が待っていました。
仲の良かった頃に戻りたいという願望が、夢に現れたのでしょうか。
それからは週に1度くらいのペースで、夢に出てくるようになりました。
その度に突きつけられる現実。本当に辛かったです。
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休みの日に、公園で兄とキャッチボールをしていたときのことでした。
公園に、藤島君と友人のグループが野球をしに来たのです。
僕は誘われていませんでした。
小学生時代は一緒に草野球をしていたのですが、ハブられた今は到底「入れて」と言うことはできません。
藤島君グループが野球をしている横で、私は兄と黙々とキャッチボールを続けていました。
本当はすぐにでも逃げ出したかったのですが、兄も藤島君グループのことを知っているので、どうすることもできませんでした。
兄は不思議そうにしています。
帰宅後、兄に「なんで友達来たのに一緒に野球せえへんかったん?」と聞かれました。
号泣しました。
たまっていたものが一気に溢れ出しました。
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それから時は過ぎて、高校入試の時期。
なんと藤島君も、私と同じ公立高校を受験することになりました。
「仲直りなんて願い下げだ!」と心に決めて、やっと離れられると思ったのに、高校も同じになってしまうのか・・・
絶望感しかありませんでした。
そして合格発表の日です。
その時、信じられないことが起こりました。
私を含めて8人ほど受験したのですが…
なんと、藤島君1人だけ不合格だったのです!
合格番号の掲示を見に高校へ向かっていた時、1人で暗い顔をした藤島君とすれ違っていて、もしかして…?と思っていたところでした。
人気者だった藤島君1人だけが落ちて、周りの皆は「なんで藤島君が…かわいそう」と悲しい雰囲気になっていました。
その時の私の気持ちは、こうです。
因果応報とはこういうことを言うのでしょう。人生で一番スカッとした瞬間でした。
後で聞いた話では、職員室で泣いていたそうです。いやあほんと"ざまあ"ですね。
聞いた話では、藤島君はその後私立高校に進学し、私と同じく浪人生を経て同じ大学(別キャンパス)に進学したそうです。
その後はどうなったのかは分かりません。
この話スカッとジャパンで採用されないかなぁ…
終
*1 藤島君(仮名)=元大関・雅山に似ていたことから命名