おせんさんの草加せんべい (全1回 )
ポン!今日はせんべいのお話しだよ。
埼玉県の草加市は{草加せんべい}で有名な町。
食べたことはありますか?
今から400年くらい前のこと。江戸時代初めの頃の事。江戸から北へ向かう奥州街道(おうしゅうかいどう)の最初の宿場町がこの草加でした。泊まることのできる宿屋や食べ物や小物を売るお店がたくさん並んでいました。多くの旅人たちが行きかっていたのです。
おせん、というおばあさんがここの街道にお団子(おだんご)を売る茶店を出していました。おせんさんはお団子を炭火で焼いて売っていたのです。商いですからお団子が売り切れる日もあれば、売れ残ってしまう日もありました。
ある日、おせんさんは茶店によってくれたお侍(おさむらい)さんと世間話をしていました。
「そうさね、今日はこんなにたくさん団子をこしらえたがね、お客さんが無かったからねぇ、こんなに残ってしまってもったいないねぇ」
おせんさんは、おまけのお団子をお侍さんに勧めながら言いました。
「ほぉ、おせんさん。それではこの団子を薄く伸ばして、よおくお天道(おてんとう)さんに干してのぉ、塩をふって焼いてみるがよい。味もよくなる、長持ちもする旅に持っていくにはうってつけよ。」
そう教えてもらったのでした。おせんさんは早速棒を使って団子を綺麗に平に伸ばしてよくよくお天道さんに干してそして焼いて売ったのです。それはかりかりと歯ごたえよく噛めば噛むほど味わい深い物となったのです。
それは大変おいしく、お土産にもちょうど良かったので、たちまち評判になったのです。
こんな訳で、草加の町のおせんさんが焼いたものですから、{草加のせんべい}と呼ばれるようになったとのことです。最近ではいろんな味の物があるようですね。
これでおしまい。じゃあ、おやすみ、ポン!。