パワースポット 天文岩(てんもんいわ)と日食月食 その3(全3回)
日食や月食の計算をした歳胤(としたね)先生。その続きだよ。
歳胤先生はこの素晴らしい発見で幕府の天文方の渋川家の顧問役(こもんやく)にお願いされちゃうんだ。顧問役ってのは、相談される人のことだよ。渋川家は、最初の渋川晴海(しぶかわはるみ)先生の時代からずっと日本のカレンダーを作る特別の家族だったんだ。けれども、二代目からは、和算の天文学の成績があんまり良くなかったんだ。だから、この歳胤先生がお手伝いすることになったんだよね。
渋川晴海先生や千葉歳胤(しばとしたね)先生それからたくさんの天文学者や和算の学者たちのおかげでこうして良いカレンダーが出来ていったんだね。
明治5年(1872年)江戸時代が終わって新しい世の中になったでしょ。この時から政府はね、太陽暦(たいようれき)のカレンダーを使うこととしたんだね。それが今僕たちが使っているカレンダーなんだよ。カレンダーを見ると今年の春分の日も立春の日も分かるし、日食や月食の日もわかるんだよね。これは江戸時代に頑張ってくれた先生たちのおかげなんだね。
そういえば、毎年6月には天文岩(てんもんいわ)の前のグリーンラインを走っていく奥武蔵(おくむさし)ウルトラマラソンってのが行われているんだ。坂の多いこの道を78キロもランナーたちは走っていく。すごいね。天文岩の陰から千葉歳胤先生が「何事ぞ、ウルトラマラソンとな。20里も駆け行くか」とびっくりしながら応援しているかもしれない。この天文岩はパワースポットなんだって。天文岩のパワーをもらって最後まで頑張ってくださいね。
これでおしまい。ポン!