上月城(こうづきじょう)落城と山中鹿介(しかのすけ) (その4 全5回)
命があった宇喜多直家は毛利輝元に応援を頼んだんだよ。
さあ、今度こそ大変だよ。上月城の周りの山に毛利軍が続々と集まりだしたんだ。輝元は安芸国から三万五千の大軍を率いて、輝元の叔父の小早川隆景も二万八千で上月城近くの山に陣を取ったよ。同じく叔父の吉川元春も二万三千で近くの山に陣を取ったんだ。宇喜多直家も一族の忠家に兵一万を与えて上月城へと向かわせたんだ。
いよいよ大変なことになっちゃった。上月城の周りには毛利軍と宇喜多軍が柵を作り始めたんだ。そうさ、上月城にいる城兵たちをひとりも外へは逃げられないようにして行ったのさ。
この時、別のお城三木城を攻めていた秀吉軍はね上月城内の尼子氏を助けようと兵を連れて高倉山まで応援に来たんだよ。その後に織田信長の命令で荒木村重一万もやって来てくれた。だけれどだめさ。上月城の周りには毛利軍と宇喜多軍がぐるりと囲んでいたんだからね。
『ドドーン、ドドーン』
天正6年(1578年)5月毛利輝元の重臣杉原森繁が巨大な大砲を上月城のやぐらに向けて打ち込んでいったよ。城兵たちは大砲のあまりの威力にびっくりさ。だからね、穴を掘ってその中に隠れていたんだって。鹿介は命令をしたんだよ。
「良いか、夜になったら柵を越えてあの大砲を奪い取って来るのだ」
ってね。鹿介はね、腕っぷしの強い兵数十人を連れて夜、輝元軍の中に切り込んで行ってね、本当に大砲を奪い取って来たんだよ。凄いね。
今日はここまで、読んでくれてありがとう!いよいよ明日は最終回。楽しみだね!お休み、ポン!