上月城(こうづきじょう)落城と山中鹿介(しかのすけ) (その3 全5回)
「おお、鹿介か。よう逃げて来おった。秀吉の家来につくがよい」
こうして織田信長の一言で、鹿介たちは豊臣秀吉の家来となって行ったんだ。
兵庫県の播磨の国に上月城というお城があるよ。ここのお城を守っていたのが真壁彦九郎だったよ。彦九郎は備前の大名宇喜多直家の家来だったよ。
「鹿介よ。上月城を奪い取れ。あそこには宇喜多直家の家来、真壁彦九郎がおるぞ」
秀吉はね、さっそくこうして尼子氏の軍二千を差し向けたんだ。
これを知った上月城の真壁彦九郎は大軍が攻めて来ると知ってね、怖くなってお城を捨てて逃げて行ってしまったんだ。鹿介たち尼子軍はそんなわけで易々と上月城を奪い取ることが出来たんだよ。
ところがさ
「宇喜多直家がこの上月城を取り戻そうと大軍を率いてこちらへ向かってきております」
さあ大変だよ。鹿介はお城の中に食べる物があるか見に行ったよ。ちょっぴりしか残っていなかった。これじゃあ、腹が減っては戦ができぬと家来たちを連れて播磨の秀吉の所まで逃げ帰って行ったんだ。
宇喜多直家たちは空っぽの上月城にこれまた易々と入って行ったんだよ。
ところところがさ
「うぬうぬ。尼子軍は逃げ帰って来たか。よおし、儂が行って打ちのめしてやるわい」
こう言って秀吉は二万の大軍で上月城へ押し寄せて行ってね、お城にいた城兵たちを打ち取ってしまったんだよ。そうしてからまた尼子氏軍を上月城内へ入れておいたのさ。
今日はここまで、読んでくれてありがとう!お城の主がコロコロ変わって面白いね!でも次回からが上月城を廻る戦いの本番さ。続きが楽しみだね!お休み、ポン!