熊谷直実と権田栗毛(その1 全3回)
上野国群馬県は1000年以上も昔から良い馬を生み出す所として有名だったんだ。お隣の国、朝鮮からの人たちが大きな馬をつれてきていたからね。日本の馬と仲良くなっていい馬が生まれていったんだ。
権田村には牧場がいくつもあって、たくさんの馬が飼われていたんだよ。
今から800年くらいも昔。
武蔵国の熊谷直実はこの権田村で良い馬を見つけたんだ。権田栗毛と名前をつけてね、源義経の家来となって遠く京都へと行ったんだよ。
名のある武将たちはみないい馬を持っていたんだ。権田栗毛は栗色で体は大きくじょうぶで勇気ある馬だったよ。気性が荒い馬だったけれど、直実には良くなついていたんだ。直実は人に任せず自分で藁を切って餌を作ったり体にブラシをあてたりとかわいがっていたんだ。直実が傍へ行くと権田栗毛は顔を寄せて甘えてくる。直実はヨシヨシと首を撫でてからポンポンとたたいてやるんだ。
その権田栗毛が一之谷の合戦の西の木戸口で足に矢を射こまれてしまったんだ。直実は丁寧に矢を抜いてあげたんだけれど、足を引きずって歩くようになってしまったんだ。
「おお、権田栗毛よ、おまえは良くやってくれた。さぞ痛かったろう。ありがとうよ。権田栗毛。宇治川の合戦ではさぞ水が冷たかったろうにな」
今日はここまで!読んでくれてありがとう!続きは明日のお楽しみ!!お休み、ポン!
#日本史 #平安時代 #熊谷直実