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最上義光(もがみよしあき)の野望(その3 全4回)

それから、義光は大殿の徳川家康に会ってくると言って三河まで出かけて行ったんだ。
義康や三男、四男の弟たちも、父上がなんの相談に行ったのかと心配していたんだよ。
しばらくして義光はご機嫌きげんなふうで、帰ってきたんだよ。愛想あいそうよく、土産みやげ話なんかをしていたというんだ。
それから何日かして、義康のところに、親子水入らずで話したいことがあるから、来るようにとの連絡があったんだ。
「大殿家康公にお会いして父上はおだやかになられたようだ。最上家を家親に譲るというなら、それならそれでよいのだ。父上に会いに山形城へ行く」
義康はそう家来たちに言ったんだよ。
「若殿、話がおかしゅうございます。胸騒むなさわぎがいたしまする。親子水入らずなどと、さんざんにその時はあったはずでございます。城へ行くのはおやめなされ」
義康が子どものころからそばにいてくれ里見民部さとみみんぶという家来が言ってくれたんだ。
それでもね、義康は父上の命令だからと言って山形城に行ったんだよ。
お城に着くと、義康は長い時間、ひかえのまで待たされたんだ。
夕方にになって、やっと一人の家来が出て来て言ったんだ。
「お殿様からのお言葉でございます。高野山におもむいてゆるさる日を待てとのことでございます」
義康はね、体の中の血が引いていくのがわかったよ。
「高野山とな、何を許さると?一目も会わずしてなんと」
義康はがっくりと肩を落としていたよ。
承知しょうちしたとお伝えくだされ」
義康はお作法通り礼をすると、フラフラと帰っていったんだ。
 
今日はここまで、読んでくれてありがとう!義康はどうなっちゃうのかな?。気になるね!お休み、ポン!
 
#日本史 #戦国時代 #最上義光

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