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高野山へ切符持たずに行ってきた
このところ熊野古道歩きの週末でしたが、今週は少し気分を変えてお出掛けしました。
たまたまSNSに流れてきた広告で発見したのがコレ。
キーパス。
紀伊のパスでキーパス。
『スマホひとつで楽々周遊。デジタルだから非接触で安心』というコピー。要はオンラインで購入し、二次元バーコードとカードリーダーを使用する事で、交通も各店舗での割引特典も済ませようという企画です。高野山なら限られた箱庭のようなエリアだから実験に最適だったんでしょうね。和歌山県と南海で11月までの期間限定で実施されてるものです。
ちょっとした日帰りから宿坊泊まりがけまで活用出来ます。そして安い。鉄道(ケーブルカー含む)往復&山上のバス二日間フリー乗車でおよそ4割引。飲食店・土産店などのサービス特典も有り。
コリャ面白い、使ってみようと思って、お出掛けしてきました。
二次元バーコードをスマホ画面に出して、それをカードリーダー付き改札(設置駅に限る)で読ませるとピンポーンと通れます。
バーコードは一回ずつ5分限度なので、ズルは出来ない安心システム。バスも乗車時と降車時にスルッとKANSAIのカードリーダーと別に設置されたピンクのリーダーで読ませます。各特典対象店舗店頭にもリーダーを置いてました。
早朝6時半の急行で一路高野山を目指します。
途中の橋本で登山用の普通に乗り換え。
赤いクロスシートの2両編成ワンマンカー。
先頭のかぶり付きで、50‰&半径100mカーブの山岳ルートを堪能しました。電車もそうですが、極楽橋からのケーブルカーも格好いい。
子供の頃、林間学校で行った時とは隔世の感!
高野山駅からはバス専用道路で高野山の山上の町に入ります。
「町」と書きましたが、高野山は本来、真言宗の修行の本拠地。町全体が金剛峯寺の敷地=お寺の境内扱いです。今でこそ、電車やクルマで楽々上がれる観光地ですが、本来は宗教都市です。
南海りんかんバスの路線は、高野山駅から町のメインストリートで左右に分かれ、奥之院へ向かうのと、本来の宗教エリアの入口=大門へ向かう2ルート+大門ー奥之院を結ぶ路線の計3路線。結構シンプル。ケーブルカーで着くとバスが出迎え、直ぐに発車するという便利さです。
奥之院は後から歩いて向かうつもりだったから、大門行きに乗り、ちゃんと入り口から入る事にしました。
標高800m有りますが、朝9時前で結構暖かかったです。
巨大さ、分かります?山の上に凄い門がデーンと立ってます。
殆どの観光客が金剛峯寺や奥之院へ向かうので、門の所には数人しか居ませんでした。でも、やはり正式な入口から奥へ向かいたいもんです。
大門の先には真っ直ぐ東西に伸びる高野山のメインストリート。振り返ると、和歌山市、海南市方面から海まで望めます。
大門から緩い下りを少し歩けば、壇上伽藍。
初めに空海が道場として開いたエリアです。
赤い根本大塔は、高さおよそ50mも有ります。そのデカさゆえでしょうか。過去何度も落雷で燃え落ちています。大塔だけでなく金堂も含めて多くの建物が度重なる大火事で焼け落ちていて、後々再建された物が少なく有りません。
って事で千年の歴史が有る割に綺麗な建物が多い印象です。
紅葉が気持ち良い中を暫く東へ歩くと、金剛峯寺。いわば高野山のセンターですね。寺の外には大きい駐車場が有り、警備員さんも早朝から立っていました。
フラッと出掛けてきたので、今回は各施設、有料見学エリアはスルーしましたが、御朱印だけは頂きました。ありがたやー。
金剛峯寺から少し進めば、高野山のメインストリート?両側に店が立ち並びます。一応先に奥之院にお参りして、後から寄ろうか?とお店は偵察だけにしました。
宗教都市らしく、仏具、数珠、法衣、そして足袋などを扱うお店もちらほら。飲食店も精進料理が多い感じ。中にはカフェも数軒。一番多いのは宿坊。泊まれるお寺です。117有るお寺のうち、宿坊は52ヶ所も有ります。あっちもこっちなので、お店より多い筈w
少しアップダウンをしながら10分ほど歩くと、一の橋。奥之院の入り口です。
弘法大師入定の地、聖地の中の聖地へと歩を進めます。良い天気ながら陽の光を遮る杉の大木がどっしり両側立ち並ぶ中、ゆっくり行くと両側に、隙間無く墓石、供養塔が立ち並びます。日本史の教科書で習った武将や大名家の墓所の数々。薄っすら苔が生えていて、歴史のど真ん中に紛れ込んだ気分です。
武田信玄や上杉謙信の墓にはレンズを向けなかったのに、地元泉州・岸和田の殿様:岡部家の墓は撮りましたw
新潟に住んでた頃、弥彦神社の参道を歩くと凄いパワーを感じたものですが、高野山奥之院パワーは半端無い!普段の登山よりギアを数段下げてゆっくり歩いてたのに、凄く脚が重く感じました。なんだか上下から押さえられてるみたい。
ゆっくり歩いて30数分。こんな立札が。
豊臣家墓所。今住んでる地元の殿様だし、ご挨拶。
因みに数分奥へ行くと織田信長の墓も有りました。でも、めっちゃこじんまり。秀吉さんとの性格の違いが分かりますw
ココまで来れば奥之院も最深部。
御廟橋を渡り、先に見えるのが弘法大師御廟。
神聖なエリアになるので、喫煙は勿論、写真もNG、脱帽、服装を整えて下さいと注意書きにも。心穏やかに上がり、僧侶の読経が響く中、静かに手を合わせました。南無南無。。。
時計を見たら11時。結構な人で賑わっています。どう見ても団体ツアーの客がゾロゾロ。
頌徳殿でセルフサービスのお茶で一服したら、来た道から外れて杉木立の外へ。一の橋からは2キロの道のりですが、こちらは団体客が多いショートカットのルート。数分で観光バスも止まる中の橋大駐車場に着きます。
その道中には大企業の墓所も多く。。。中には
こんなのもw
さて。11時半。折角バスのフリーチケットも付いてるので、中心部へバスで戻ります。
が。各所でクルマが大渋滞。
緊急事態宣言解除後で紅葉の掛かりで週末でって重なりまくりでしたね。
なのでランチスポットも悉く行列。そして観光地価格。ウロウロ歩き疲れて裏道に入ったら。一軒だけ中華屋さんを発見。精進どころかw酢豚定食ミニラーメン付きを頂きました。南無南無。
さて。
高野山、熊野古道ともご縁が有りまして、高野山から真っ直ぐ南下するのが小辺路といいます。
この高野山へ上がる道も多く有ります。
和歌山県では、他の熊野古道ルート同様、高野山エリアでのスタンプも用意しています。
今回も折角なので、壇上伽藍のスタンプ台で押印帳を一冊頂き、各所で押す事にしました。
が、殆どは麓から高野山への登山道の途中にスタンプ台を置いていて山上には3ヶ所のみです。壇上伽藍と奥之院、そして女人堂。
明治の世になるまで高野山は女人禁制でした。女性の皆さんは山には入れず、各登山道の到達点に建てられた女人堂にお参りするしか無かったとか。今も残る女人堂は、高野山駅から路線バス専用道路で山上エリアに入る所に一つだけあります。
ひと通り高野山を回ったので、後は、女人堂のスタンプを押したらバスに乗ってケーブルカーに乗って下りよう。って事で、腹ごなしも兼ねて徒歩で女人堂に向かいました。
警察署の建物がレトロで素敵です。
徳川家霊台の前から女人堂に向かう直線の登り坂。今日最後の紅葉の写真。
女人堂のバス停でバスを待ってたら、数組のハイカーが。やはり徒歩で上がって来たり、周囲の山を巡る人も少なくないようです。
また、女人堂へお参りする家族連れも数組いました。地元民には結構身近な信仰対象なんですね。
実際、ウチの実家の近所にも大師堂が有って、子供の頃から「お大師さん」と呼んで手を合わせてましたもんね。西日本各地では親鸞より空海の方が身近です。
さて、2時前のバスに乗り、ケーブルカーで極楽橋に下りたら。。。
今回はタイミング合わず乗れませんでしたが、リゾート列車「天空」と特急「こうや」が並んでました。なんだかミッションコンプリートな気分で大阪へ戻って来ましたとさ。
元は取れたなか?w
最近、過酷な歩き旅ばかり続けてたので、こういうゆったり散策もタマにはイイもんです。