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吉祥寺サバイバル Ⅲ 定常期(stationary phase) Ⅲ-10 自給自足例W女20XY年9月
W女は72歳で、〇〇件の高原に夫と住んでいた。2人の子供は独立して、都会で暮らしており孫もいた。L村病の流行により、夫が亡くなったのでていねいに埋葬した。子供たちとも連絡が取れなくなった。自分も近く死ぬ運命と覚悟を決めた。夫の墓の隣に、穴を掘り、つっかえ棒の上に板を載せてさらに土を被せた。死期を悟ったとき、穴に入って棒を外せば土葬になる。
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それでも、W女は死ぬことはなかったので、生きていく必要がある。近所の農家を回ってみると、畑には野菜がよく実っていた。隣にある果樹園のリンゴやモモ、ナシも遠からず収穫できそうだった。同じく、ソバの花が咲いており、収穫したら、水車小屋で製粉することができる。近くの川に水車があり、回っていた。ここに発電機もあり、製粉することもできる。街まで、自転車で出かけて調査すると、少なくない食料を調達することができた。当面の間、食べ物に困ることはないだろう。
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高原の為、夏の暑さはうちわがあれば問題なかった。これからやってくる冬への対策は薪ストーブである。これらは従来から使用していたものを継続して使用することができる。
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W女は改めて生きている意味を考えた。正月やお盆は子供が孫たちを連れて帰省することが常だった。その際、孫を前に小学唱歌を流し、おとぎ話の絵本を読んでやることが多かった。孫たちも喜んで聞いてくれたのである。
現在、連絡できなくなっているが、再度会える日が来るかもしれない。そうであれば、自分がいなくなっていても、それを再現できるようにしておこう。街まで出かけて、図書館を調査した。小学唱歌のCDとおとぎ話の絵本をすべて入手した。
小学唱歌のCDを聞きながら、おとぎ話を音読した。また、画用紙におとぎ話を補足するイラストを追加した。数日間これを継続したところ、自分でもオリジナルの話を作れるようになった。孫たちは意地悪をされた者が最終的に仲直りする話が好きだった。仲直りのきっかけがお話としては重要な部分になる。このような新しい絵本をもっと前に作れていたら、直接孫たちに話聞かせることができたに違いない。再度、会える日を信じてこの作業を進めた。
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時間が経ち、果樹園のリンゴやモモ、ナシを収穫することができた。ソバも同様だが、ソバを打つのはさすがに難しかったので、蕎麦ガキにした。これらをおいしくいただいだ。
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