25 膀胱&尿道:漏らしたくない
膀胱(ぼうこう)は腎臓から送られてくる尿を一時的に溜める袋状の器官である。尿を作る動物一般において、それを一時的に蓄える構造に対してこの名称を使用する。
本来であれば、腎臓からの排出物は消化管に放出される。その部分に発達した袋状の構造が膀胱である。哺乳類は肛門と独立した新たな尿道が体外に口を開く。膀胱は消化管と独立した存在になる。
陸上生活をする哺乳類においては、尿や便を魚類のように垂れ流しにするのは生存に不利である。尿や便を垂れ流しにすれば、それを辿って捕食者に容易に発見されてしまうためである。従って、哺乳類では便を保持する直腸や尿を保持する膀胱が発達したとされている。
膀胱は下腹部中央に位置する。左右の腎臓からの尿管でつながっており、尿が送られてくる。また、尿を外部に排出するために尿道がつながる。尿道への入口は膀胱頸部筋で閉じられる。
通常、60ml/時間の尿が腎臓から送られてくる。膀胱総容積の4/5程度蓄積されると大脳に信号が送られ、尿意を感じる。排尿時は腹圧を加えることで膀胱の筋肉が働いて内圧がかかり、膀胱頸部筋が開放され、排尿することになる。
通常の膀胱の厚さは1.5cm程度だが、尿が蓄積されるにつれて薄くなる。満タン時には3mmまで薄くなる。膀胱の容量は成人で平均最大500~600mlである。250~300ml溜まると尿意を催す。普段から尿意を我慢している人の場合は最大1L程度溜められる人もいる。
子供の夜尿症で、膀胱が小さいことが原因の場合、排尿をなるべく我慢させることで、成長とともに膀胱の容量が大きくなり、夜尿が治るケースがある。
尿道(にょうどう)は哺乳類の泌尿器に分類される器官の一つである。尿が膀胱から体外へ排泄されるときに通る管をこのように呼称する。男性の場合は膀胱の出口で精管が接続されている。射精時には精子を含む精液を運ぶ管にもなるので生殖器でもある。
ヒトの場合は、骨盤内にある膀胱から恥骨結合の下を通って外陰部へと続く。女性では膣前庭に開口する。男性では膀胱を出ると前立腺の中心を貫通する。陰茎内部の尿道海綿体を通って、陰茎亀頭先端に開口する。そのため、男性と女性とで尿道の形状が大きく異なる。
男性の尿道は成人で16~20cmの長さがあり、かつ細いのが特徴である。一方、女性の尿道は太く、長さは3~4cmと男性よりもかなり短い。これが、女性のほうが尿路感染症を起こしやすい原因であると考えられる。尿道周囲には尿道括約筋があり、尿が膀胱を出たあとに筋肉が発達して内部の尿の通行を妨げる。この筋肉は随意筋で意識的に尿を我慢するときに用いられる。
尿道の壁の構造は内側に粘膜があり、外側には主に2層の平滑筋が存在するのが基本である。男性の尿道海綿体内では平滑筋層は明確ではない。尿道内部の壁の潤滑剤としての粘液を分泌する尿道腺と呼ばれる小型の分泌腺が多数存在する。内側の粘膜は女性の場合は膀胱のごく近くでは膀胱と同じ移行上皮であるが、それ以外のほとんどは重層扁平上皮である。
尿路の異常が生じることがある。中でも尿路結石(にょうろけっせき)がつらいので注意したい。尿路系に沈着する結石や起きる症状も指す。しばしば激痛を伴うので、避けたいものである。水分を多く摂り、肥満防止に配慮し、食生活改善が予防の基本である。脂肪や動物性たんぱく質、茶、紅茶、酒(特にビール)を減らすことが重要である。また、ホウレンソウなどシュウ酸の豊富な野菜に気を付け、カルシウムは多すぎも少なすぎもせず摂取したい。
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