見出し画像

今日の食材 塩

旅先で塩が売っているとついつい買ってみたくなる。

最初にリピートするようになったのは海人の藻塩という広島の塩で、ホンダワラの香りがあるので、とにかく味がやわらかで、おにぎりにはこれと思っている。

次に、私をときめかせた塩の出会いはとあるイベントの有機野菜料理で、事実上はじめて天日塩を口にした(あるいは認識した)経験だった。出汁もなく野菜だけなのに、香りの強い野菜、特ににんじんやゴボウなどの根菜の味をひきたてていて、かといって辛くなく、驚いた。

そこで使われていたお塩は入手が難しいものだったので、Amazonで買えるカンホアのお塩を使ってみると、そのときの味に近付いたような気がした。再精製塩も、それぞれに旨味があるけど異なるのはきっとミネラルの違いなのだろうと思った。

しかし、Robert L Wolke教授の著書では、なんと塩の味の違いは結晶の大きさの差異で生じるevaporationの違いだと書いてあるとのこと(著書の引用部分だけみて全部には全然目を通していないのであしからず)。ミネラルの差なんて、料理の中には色々な食材があるのに、塩の中の差分が分かるかいな、ということらしい。

確かにメキシコやオーストラリアの海水を利用している再精製塩や、その他の製法の塩でも、大きく味は違うので、フルールドセルをあげる間でもなく、結晶の形はすごく影響があるのだろう。沖縄の塩でよく売られているサラサラの小さな結晶のお塩も、塩味の感じかたにすごく違いがある気がする(手で感じる重みやふり方とかのコツがわからなくていつも薄味にしすぎてしまうため、正直自信がない)。

だけど、天日塩にはミネラルを感じている気がする。それは天日ということに自分のイメージが引きずられているから?いや、意識せずに口にしたときも硫黄のような香りを確かに感じた。でも、同じく香りを強く感じる岩塩は海の塩よりミネラルが少ないとか。自分の中のミネラル感ものさしに疑念がわいてくる。ミネラル、結晶のどちらかだけを変えながら、ニンジン、たまご、じゃがいもあたりを食べ比べたりしてみたい!

とはいえ、台所ではこの塩はこれに合うのよねーというドタ感の思い込みを、自分と食べる相手とに吹き込んで、合うー!とか言いながら食べるのが幸せなんだよね。

いいなと思ったら応援しよう!