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YOKE日本語教室

YOKEでは、日本語を勉強することが初めての人や日本語を少し話すことができる人を対象とした「YOKE日本語教室」を開催しています。対面(みなとみらい教室)とオンライン教室の2つの参加方法があり、学習者は自分の生活にあった参加方法を選択することができます。教室の目的はどちらも同じです。YOKE日本語教室開催における運営者・サポーターの思いや教室の様子、学習者の声を紹介します。「横浜に暮らす外国人のみなさんの生活が豊かになる」ことを目指したYOKE日本語教室についてご覧ください。

YOKE日本語教室について、私たちがお話しします!

YOKE日本語教室の特徴を教えてください。

野俣 
まず大事にしていることは「人とつながる」ことです。日本語を使ってコミュニケーションをとっていくことでつながっていくことを一番大切に考えています。(外国人の方から)「日本語を上手に話せないから」という声を聞きますが、その方が持っている言葉、たとえ単語であっても自分の言いたいことを伝える、伝えあうことの喜びを感じてもらい、そして社会でもつながって「日本語を使いたいな」と思える、そういうところを原点にしています。

高山 
YOKE日本語教室の特徴は、テキストがないことです。日本語サポーター(以下、サポーター)が学習者に勉強したいことを聞きながら、学習者の希望に応じた教材を作成します。その教材をきっかけに学習者とコミュニケーションをとっていきます。一方的に「教える」、受動的に「教わる」という方法はとりません。サポーターが学習者とコミュニケーションをとりながら進めるレッスン形態は日本語教室の中でも大事にしたいところです。

野俣 
日本語教室は(日本語運用能力での)レベルに分かれてレッスンが行われることが多いのですが、YOKE日本語教室ではレベル 分けがありません。学習者がどのような人かサポーターと確認したうえでグループを決めます。積極的な人なのか、シャイな人なのかそのようなところを踏まえてグループを作り活動します。学習者にとって「居心地がよい」グループを作っています。このように日本語能力のレベルでグループを分けていないことも特徴と言えます。

高山 
レッスンの前に「このテーマについて話をしよう」という内容をサポーターが決め、ワークシートの形で準備し、それをきっかけに話を進めていきます。サポーターの中では「このように進めていこう」と予め考えているのですが、学習者の様子を見ながら話を膨らませるなど、学習者とともに教室を作っていくというスタンスで、レッスンを行っています。

学習者はどのような人ですか?

野俣 
いろいろな方がいらっしゃいます。レッスンが昼間に行われるので、子育てをしている主婦または、女性の仕事に伴って一緒に来日した男性で「主夫」として子育てをしている方もいます。他には、日本人と結婚された方です。

学習者の出身国・地域の傾向はありますか?

高山 
コロナ禍になってからは入国できる人が限られていたこともあり、タイ、ベトナム、中国、韓国といったアジア出身の方が多くなりました。最近では入国制限も緩和されて、もっと幅広い国・地域の方が参加するようになりました。

野俣 
今期(2022年度Ⅰ期)は、アメリカ、メキシコ、カナダのように近年はいなかった国・地域の方が集まってきています。

対面・オンライン開催方法が異なると、特徴もそれぞれです。


新型コロナウイルス感染症(コロナ)が始まる前はどのような感じでしたか?

野俣 
コロナ前、YOKE日本語教室の定員は30名でした。そのうち、多い時には18 か国・地域の人が集まっていました。当時、出身国・地
域はバラエティに富んでいて楽しかったです。YOKE日本語教室は「伝える」ことを大切にしている点は参加者に伝わっていますか?参加者によって学び方が異なるケースなどありますか?

野俣 
YOKE日本語教室では文法をテキストで文法として学ぶことはありません。日本語の表現として学びます。その点については、参加希望者にお伝えしているので、「文法よりも、教室でコミュニケーションをとりたい」と思う人が集まってはくるのですが、 レッスン の様子を見ていると人によっては非常に論理的に勉強したいと思う方もいらっしゃいます。

高山 
そうですね。

野俣 
そのような方は、サポーターがテキストを紹介して自ら勉強しているようです。よく「ゼロビギナー」と言われるのですが、「決して『ゼロ』ではない」というのが私たちの考えです。学習者は大人ですし、自分の母語を持っているので、「母語で伝えたいこと」を引き出すことがまずサポーターの役目となります。日本語で伝えられない場合は、絵を使ったり、描いたりする方法もあります。今はスマートフォン(スマホ)があるので、スマホで写真を見せたりするなど何らかの媒体を使ってコミュニケーションをとるようにしています。学習者の母語で単語程度のものを話すこともあるのですが、言葉よりは実物を見せながら進めることがほとんどです。学習者も自ら調べて「このこと」と伝えてくれるので、その場合は「これは〇〇ですよ」と言って日本語につなげています。

小さな積み重ねを繰り返していくことで日本語の単語を覚えて、言葉につながって話すことができるようになっていくのですね 。初めて日本語を学ぶ人が教室に入った場合、入った直後と教室が終了する頃では学習者にどのような変化がありますか?

野俣
(今現在は教室が)15回しかないので劇的な変化はみえづらいのですが、学習者の「気持ちの変化」が大きいかなと思います。教室の最後に「今日は何を学んだか」を書くノートがあるのですが、ある人は最初全部母語で書いていました。その後、ひらがなで書くようになり、単語だけだったのが文章になっていきました。最初は自分の国の言葉に頼るのですが、次第に「自分で書いてみよう」思うようになったり、私に会ったとき知ってる日本語で声をかけてくれたりします。教室が始まった当初ははずかしそうにしていた方が、「お元気ですか?」などと段々と声をかけてくれるようになります。

高山 
私はオンライン教室を担当しています。オンライン教室に日本語初心者の方はいないのですが、初めはとても緊張していて声も小さい、日本語をある程度わかっていてもなかなか話せなかった人が、終わりの頃になるとわからな
い言葉があっても積極的にしゃべるようになった印象はありました。

みなとみらい教室(対面)参加者のみなさん


オンライン教室では大勢が参加していても話題が1つになってしまう傾向にあり、対面のような自由は会話が難しいと思われます。オンライン教室では、何か工夫をしていますか?

高山 
対面ですと学習者同士が気軽におしゃべりできて仲良くなりやすいのですが、オンラインですとサポーターと学習者のやり取りになりがちです。そこをサポーターが工夫をしています。例えばサポーターから「(学習者)Aさんから(学習者)Bさんに聞いてください」という呼びかけをして、その質問内容でお互いのことを知る「しかけ」を作ったりしています。私自身、学習者同士がどこまで仲良くなっているか知りませんでした。前期のオンライン教室最終日に、学習者だけ残って自由に話すことができるよう、終了後もしばらくオンラインミーティングを開いた状態にしていました。学習者のうち、4名が残って1時間くらいずっと日本語で話していました。

4人は日本語で話していたのですか?

高山 
母語の共通言語がない4人だったので、日本語でコミュニケーションをとっていました。長い間話していたので、そこで私も学習者が仲良くなったことを知ることができました。そして、学習者から「コミュニケーションをとりたい」という気持ちを感じ取ることができました。昨年度はコロナ禍で教室の回数を、20回から12回に減らしました。その最終12回目での出来事でした。

対面で教室を行ううえでの課題はありますか?

野俣 
コロナになってからはマスクをしているのでサポーターは学習者の表情がわからなくなりました。学習者はサポーターの口元が見えなくなりました。特に入門の人はサポーターの口元を真似して発音することがあると思うのです
が、それができなくなりました。また、教室開催中は距離を取らないといけなくなりました。コロナ前はお互い近づいてすごろくゲームのような遊びをしながらひらがなを覚えることもできたのですが、それができなくなったのは残念です。

みなとみらい教室(対面)の様子


コロナ禍であっても対面で教室を開催する良さは何ですか?

野俣 
対面ですと実際にこちらに来て教室に参加をするのですが、少し早く到着した人がエレベータホールのソファで教室が始まるのを待っているんですね。徐々に何名かが集まる形になって、その様子を見ていたら日本語で話をしているんです。教室が終わった後もバラバラに帰るのではなくて、仲良くなった人が仲間を待っています。日本語が上手かといえば必ずしもそうではないのですが、彼らの共通言語は日本語しかありません。Aさん「電車?」Bさん「うん」、Aさん「帰る?一緒」と言って一緒に帰って行く、そこの余白の部分は私たち主催者やサポーターが関われない部分であり、そこはとても大事なのではないかと思いました。

オンライン教室の良さはどのようなところですか?

高山 
気軽に参加できることです。子育て中の方も多く参加しています。参加中もお子さんが側にいて、様子を見ながら参加できます。教室に通うことが難しい人も参加できることも良いことかなと思います。また、マスクなしで参加できるので、お互いの表情がよくわかること。家にあるものを見せながら話ができることも良いことだと思います。

反対に、オンラインで大変なことや難しいことはどのようなことですか?

高山 
工夫はしているのですが、学習者同士の交流が行いにくい感じがします。サポーターが一方的に教えるような進め方にしないようにしているのですが、どうしてもサポーターが順序立てて進めていくようになりがちです。そのような中でも工夫をするようにしています。

対面の場合は、サポーターがリードしなくても学習者同士話すことができる雰囲気ですか?

野俣 
その場の雰囲気を見て、「今話している学習者2名がそのまま話していても大丈夫かな?」と判断するなどその場の空気が伝わってくるので、サポー
ターがリードする必要がなく、その場を見守ることが対面では可能になってきます。時々サポーターがリードすることはありますが、学習者同士の話が盛り上がればそのままにしてサポーターは見守り役になれるのは対面の良さだと思います。

現在、YOKE日本語教室は対面とオンラインの2通りで実施していますが、今後各教室でやってみたいことがありましたら教えてください。

野俣 
コロナ禍前、YOKE語学講座(現在は「YOKE外国語コミュニケーション講座」)の学習者をお招きして「ビジターセッション」を開催していました。日本語を使った一般市民のみなさんとの交流は、今思い出してもとても良かったです。(YOKE語学講座の)学習者は一般の方なので語彙を調整せずに話をされるのですが、(YOKE日本語教室の)学習者にとっては「普通の日本人と話した」経験になります。サポーターは学習者へ「わかりやすい日本語」で話かけますが、いざ町中に出るとそのような日本語は使われず、早い口調の日本語を聞くわけです。そのような日本語を聞いて、1つでもわかったら嬉しいという経験ができることが(YOKE日本語教室の)学習者にとっても楽しい時間でした。ですので、コロナが終息したら再び一般市民の方をお招きして交流の場を持ちたいなと思っています。

対面教室では全15回のうち、1回オンライン教室とつないで「合同活動」を行っています。そこでは自己紹介や得意なことをやっています。先日はヨガが得意な学習者がいてオンラインで一緒にヨガを楽しみました。このような取組みをもう少し拡大して、ゲーム感覚での日本語遊び的なものができないかなぁとサポーターと話しています。

高山 
コロナが落ち着いてきたら、みんなで会う機会を作れたら楽しそうですね。先ほど野俣さんも言っていましたが、一般市民との交流をオンラインでも工夫をしたらできそうかなと思います。今は外部の方をお招きしたイベントはできていないのですが、今後はそのようなイベントもできたらおもしろそうだなと思います。

野俣 恭子(のまた きょうこ) 
日本語学習コーディネーター。企業での日本語教育、市内ラウンジで日本語ボランティアとして活動後、2011年YOKE入職。YOKE日本語教室や外国につながる子ども・若者支援事業
を担当。

高山 麻紀(たかやま まき)
日本語学習コーディネーター。他地域の国際交流協会で留学生との交流事業、日本語教室立ち上げに携わった後、2019年YOKE入職。YOKE日本語教室、外国につながる子ども・若者
支援事業などを担当。


YOKE日本語教室(みなとみらい教室)サポーターに聞きました。

①教室で大切にしていること ②これから教室でやっていきたいこと

岩本 友子 
① リラックスして発話できる和やかな空気を大切にしています。学習者の言葉を必ず拾い上げて返すこと。脱線しても学習者中心でさらに話題が広がってほしいと思っています。
② 教室から社会を広げること。現在はイベント紹介にとどまっていますが、例えば「文化紹介」や「近隣の日本の方々との交流」や「世界各地の食や文化」など、教室で小さな交流イベントが再びできるようになってほしいと思っています。

易 成英 
① (1) たくさんの交流ができる (2) 友達を作る (3) 異文化を感じる
(4)お互いに助け合う 
② (1) ロールプレイ活動 (2) プレゼンをする (3) 情報共有
オンラインの授業の場合では、Google mapのストリートビューを活かして学習者に日本の町案内をしている教師もいると聞いており、いつかやってみたいなと思います。

大住 真梨子
① お互いの〝ちがい”をよく知り、楽しむことを大切にしています。またYOKEが、どの学習者にも安心して来られる場所であるように教室作りを心がけています。
② 学習者は皆が横浜在住の方で、横浜という共通項で繋がっています。ですから、より横浜での生活が楽しくなるような暮らしに役立つ横浜の情報を皆さんとシェアしていきたいです。また今後、課外活動も計画したいと考
えています。

杉本 ひろみ
① (1)笑顔で話すようにする(2)価値観の共有(3)それぞれの背景を大事にする(4)お互いの調和を大切にする
② (1)多文化共生の実現 お互いの文化を知り、双方向の活動をしていきたい (2)コロナ禍で制限が多かったですが、これからはwith コロナでイベントも取り入れていきたい。

YOKE日本語教室(みなとみらい教室)参加者の声


YOKE日本語教室概要

みなとみらい教室(対面)
日本語を初めて勉強する人、対面で日本語を勉強したい人におすすめです。
開催時期 Ⅰ期(5月~7月)、Ⅱ期(10月~11月)、Ⅲ期(2月~3月)
開催日時 毎週月曜日と水曜日 10:30~11:45
  回数 全15回
  人数 10人程度(レッスンは5人くらいのグループで行います。)
 参加費 7,500円(教材費込み)

オンライン教室
日本語を少し話すことができる人、自宅から参加したい人におすすめです。
開催時期 Ⅰ期(4月~6月)、Ⅱ期(9月~11月)、Ⅲ期(1月~3月)
開催日時 毎週月曜日と水曜日 10:00~11:15
  回数 全15回
  人数 10人程度(レッスンは3~4人くらいのグループで行います。)
 参加費 7,500円(教材費込み)

みなとみらい教室・オンライン教室、どちらも、申込み後にインタビューがあります。
申込み・問い合わせ 電話 045-222-1173(11言語対応)

YOKE日本語教室2期開講予定 オンライン教室 9月~、みなとみらい教室 10月~
詳しくはホームページをご覧ください。


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