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ウクライナ避難民等支援事業 避難民と公立高校受験

横浜市に避難してから、公立高校に入学した避難民がいます。8月22日(木)にウクライナ避難民を対象に開催された「夏休み宿題教室」のプログラムのひとつ「高校進学相談会」で、この春合格した避難民が公立高校受験のための勉強や受験当日の様子について話をしました。制度や言葉が十分わからない中、どのように高校受験合格に向けて取組んだのでしょうか?

Q 受験勉強は大変でしたか?

A 
長時間勉強するとストレスになるので、1日4時間ぐらいがいいと思います。とくに、過去問題を解くのは大事です。MYプラザ*で、受験する高校の過去問に繰り返し取組みました。*MYプラザ…都筑多文化・青少年交流プラザ(つづきMYプラザ)

Q 日本語の勉強は大変でしたか?

A 
はい。漢字を覚えるのに苦労しました。でも、国語の漢字を覚えるよりも、数学の文章題で使われる日本語の表現を覚える方がいいと思います。文章の意味がわからないと、問題を解けないので。

Q 受験するために、どんな書類を集める必要がありますか?

A 
奨学金に関する情報など大体の書類は学校からもらえますが、入管に発行してもらわなければいけない書類もあります。私たちはそれを知らなかったので、願書提出しめきり日の前日に慌てて入管へ行きました。その他、Save the Children の情報はYOKEでもらいました。受験とは関係ありませんが、「高校生等奨学給付金」という制度があるので、修学旅行の費用を援助してもらえることも学校から教わりました。

Q 受験の手続きは大変でしたか?

A 
担任の先生がとても親切に寄り添ってくれました。受験料を支払うときは、間違いのないよう先生が郵便局までいっしょに行ってくれました。

Q 筆記試験は難しかったですか?

A 英語と数学は簡単でしたが、日本語はむずかしかったです。

Q 面接はどうでしたか?

A 
願書といっしょに作文(2,000字)を提出します。作文には志望動機、興味のあること、得意なこと、高校でどんな勉強をしたいか、どんな部活に入りたいかなどを  書きます。提出日まで毎日書き直しました。面接では作文の内容について質問を受けました。面接の練習をしたときは上手に答えられたのに、本番では両腕がブ ルブル震えるほど緊張し、日本語を聞き取れませんでした。

面接官の先生は3人で、1人はとても厳しい先生でした。やさしい先生が1人い て、日本語を聞き取れなくて答えられないでいると、わかりやすい言葉に直して質問し直してくれました。

Q 後輩へのアドバイスがあればお願いします。

A 
(保護者から)
準備は早めに。息子は情報がなかったので3年生になってすぐに始めましたが、2年生から少しずつ始めた方がいいと思います。周囲のサポートがあったからうまくいきました。中学校、MYプラザ、YOKEみんなに感謝しています。学校からオープンキャンパスのリストが配られるので、興味のある高校は全部見学してみたほうがいいと思います。そして、困ったときはラウンジを頼ることです。中学校にも遠慮しないで質問すること、頼むことです。

A 
(本人から)
中学の授業は日本語がわからなくて理解できないことが多かったですが、受験のための勉強は全部身についています。受験勉強は大変ですが無駄ではありません。


相談会の様子

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