アートインレジデンスin和歌山 日記#3
7日目/8月4日(金):私設図書室「もりおかとしょしつ」のオープン日
私が滞在させていただいてる「もりおかとしょしつ」は、管理人長谷川さんが当マンションの住人向けにオープンした、私設図書室である。この日は、月に2回ほどある、親子向けのオープン日であった。
制作中に敷いている大きいシートと絵を片付けて、お掃除して準備。リビング左の和室には絵本や本の蔵書が400冊ほどある。開室して間もなく0歳〜6歳までの子供たちが集まり、賑やかな癒し空間へと早変わりした。
緩い横のつながりを作ることで、孤独になりがちな子育てを楽しく乗り越えられるように、完全ボランティアで活動する長谷川さんに改めて尊敬の念を抱く。
以下、プレスリリースから「もりおかとしょしつ」について引用する。素晴らしい活動で、テレビや新聞などにも取り上げられている。
《もりおかとしょしつとは》
日常の延長線上にある 住み開きの図書室
横のつながりが育ちにくい住環境において、関係性づくりを探求する場として、管理人長谷川の仕事場の一部を開くかたちで、2022年6月開室。
現在の蔵書:約400冊。絵本・一般書籍・雑誌等
住人の相互の関わり合いにより、一緒にごはんをつくったり、子どもたちを見守ったりする関係性が育まれている。”村””昔の団地”みたいと言われ始める。
住人からの企画持ち込みの相談を受けて、今後図書室の枠を超えて、住人向けレンタルスペースの始動を準備中。
◯公式サイト:https://bit.ly/3CjrGcu
その後、和歌山に住んでいた頃の知り合いの方に、紀美野町の素敵なレストランに連れていっていただいた。
この方は30代に入ってから、別業種から助産師さんへと猛勉強の末にキャリアチェンジをされた方だ。お話を伺っていると、患者さん方(ママと赤ちゃん)のことを真摯に考え、様々な視点で柔軟に積極的に活躍されている姿が伝わってきて、いつも刺激を受ける。今回もお会いしていただき、ありがとうございました。
8日目/8月5日(土):キャンバス絵の制作。5枚完成。
F3号、F6号、F8号サイズの計5枚が完成した。
ドローイングしていると室内のものに焦点が定まってきて、そこから普段感じている人間関係、人間の感情が想起されてくる。それを純粋にキャンバスに起こしてみる。
煮詰まってきたところがあったので、暗くなってから1人でイオンシネマに行き、スタジオジブリ最新作「君たちはどう生きるか」の2回目の鑑賞をした。
2回目の今回は、前回より暗い印象を受けず、薄明かりの中で希望と光が見えた。
帰りに空を見上げると、星が綺麗なことにびっくりした。
9日目/8月6日(日):中古キャンバスを入手。画材屋さんへ電話。
ホームセンターへ行くついでにハードオフへ寄った。未使用のF30号キャンバスを2枚、安く購入できた。偶然の出会いに感謝しながら、バスで持ち帰る。
その後展示するキャンバスを考える。P50号2枚、F100号1枚の購入を決め、画材屋さんに電話。翌日取りに行くことに。
和歌山に来てからどんどん夜が遅くなっていたので、ビールを飲んでみる。早く就寝できた。
10日目/8月7日(月):F30号制作開始。大人のお絵描き会イベント開催。
昨晩のビール作戦のおかげで、6時過ぎに起床することができた。長谷川さん主催のラジオ体操に参加する。朝早く起きられると、1日が伸びたようで嬉しい。
午後は、先日より予定していた「大人お絵描き会」イベントを開催させていただいた。4名の参加者が集まり、絵の具やクレヨンを使ったドローイングを行った。
のほほんと緩く描くというものではなく、1〜3分ペースで休みなく連続5枚×5セットで計25枚を描くという、参加者もびっくりの中々ハードな内容となった。
参加者の方から素敵なコメントをいただいた。
この度はご参加いただき、誠にありがとうございました。
また、お互いの作品を見せ合いコメントをし合うことで自分では気付かない気付きがあった・昨日までの疲れが吹っ飛んだ・普段使わない脳を使ったようで部活の後のような達成感があった、などの声もいただいた。
忙しいドローイングセッションを乗り越えていくうちに、皆さまの表情が何かから解放されたような笑顔になっていって、とても嬉しかった。
夕方、画材屋さんに発注していたP50号2枚、F100号1枚のキャンバスを受け取りに行った。
11日目/8月8日(火):キャンバス組み立て、絵画制作。
この日も朝6時過ぎに起きてラジオ体操に参加。その後はP50号キャンバス2枚を組み立て、麻布を張った。ドローイングをもとに制作。
午後は少々疲れてしまい、数時間の仮眠を取った。夕方から夜まで、制作の続きをした。
終わりに
3週間の滞在も中頃に入り、疲れと焦りが見えてくる。今まで制作をしてこなかった分、手の進め方が分からない状況も往々にある。和歌山の人との交流をしながら、セルフアートインレジデンスをすることの意義と、生み出せる価値を俯瞰することを忘れないでいきたいと思った。