御前酒「辻本店」さん訪問記
2019年9月
岡山北部、真庭市にある酒蔵 「辻本店」さんを訪問し、杜氏の麻衣子さんに蔵内を案内していただきました😊
倉敷の美観地区をコンパクトにしたような とても美しい城下町✨
江戸時代 辻本店さんの裏にある山「城山」には藩主の三浦氏が城を築いており、そちらに献上する酒「御前酒 」を造る蔵として 江戸時代後期1804年から続いているそうです。
昔ながらの酒造りの方法「菩提酛」を辻本店さん流に改良を重ね 独自の「御前酒菩提酛」で醸す酒。
酒母(酛という)を作る方法として最も多いのが
「速醸酛」
これは 水+蒸した米+醸造用乳酸という酸っぱい液体+酵母
醸造用乳酸を使って酒母を強い酸性にして
雑菌や野生酵母の侵入を防ぎ、清酒酵母を健全に増やしていくというもの。
で 「菩提酛」というのは
常温の水+ 生米+ 一握りの蒸したお米
これを置いておくと、空気中の乳酸菌が入り込んで乳酸発酵を始めます。
キムチやヨーグルトと一緒。
乳酸菌が作り出す「乳酸」によって液体は徐々に酸っぱい酸性になっていく。酸性になると雑菌を防ぐことができる。
この酸性の水を「そやし水」といって、酒母に使います。天然の乳酸菌はたくさんの種類がいて、次々に色々入ってきては淘汰されたり共存したり。
だから人工的な醸造用乳酸よりも複雑な香りや味わいが生まれるというわけ。
生米は取り出して蒸して使う。
でも御前酒の菩提酛はさらにちょっと違うのです。
菩提酛で出来上がった「そやし水」を加熱し
中の乳酸菌を殺菌してしまう。
そうすると、そこから先は変化のない純粋な「酸性の水」になる。
雑菌汚染の心配もないし、安定して同じ状態のそやし水になれば お酒の酒質も安定するから。
加熱殺菌することで、余計なすえた様な匂いもなくなる。
でも天然の乳酸菌が作った酸だから、旨味の元や複雑味は入っている、というわけです。
岡山が誇る酒米、雄町にこだわり現在も7割以上雄町米を使用🌾
全量雄町を目指しています。
さらには、目指す酒質のため泡あり酵母を使用するというこだわり。
例えば同じきょうかい7号酵母でも、泡無しと泡ありでは出来上がりが違うんですって。
御前酒が求める酒質には泡ありが向いているとのことでした。
細かなところまで丁寧に説明していただき、とっても勉強になりました😊
辻本店さんには素敵な酒蔵レストランが併設されています。特製の粕漬けと、美味しい水で炊いた地元のお米🌾 美味しいに決まってます😆 旨い日本酒を飲みながら 粕漬け!最高か‼️
びっくりするような濃い緑色をした山々、綺麗な川が流れ、抜けるような青空にジリジリな太陽。
the 夏休み☀️☀️
短時間だけど岡山 楽しかった。
また来ます!