SS『冷たい恋人』
恋人が冷たい。
だったら、あたたかい恋人をつくってしまえばいい。
そう思った私は、生成AIを使って、私好みの恋人をつくることにした。
素材なら、いくらでもある。
私の恋人は、日常生活を定期的にライブ配信しているのだ。
恋い焦がれる想いをSNSに投稿しなくなった私に不審を抱いて、恋人が私のところへやってきた。
どうして最近、僕のことをつぶやかないの?
意気揚々と私は説明する。
あなたの声と映像を使って私好みの恋人を完成させたの。だからぜんぜんさみしくないのよ。
そんなことしないでほしい。
恋人は、いった。
勝手にしゃべらされるのは気持ちが悪いんだ。
もっときみに逢いにくるから
それを使うのは、やめてくれないかな。