野原小麦
妖怪をテーマに詩を書きます。
「獺魂」あるいは「獺霊」で、「うそだま」。 かわうそおばけのうそだまちゃんたちが棲んでいる「蔵カフェぼっこ」のおはなしです。
世紀末、過ぎし日の妖怪日和。
あぶくっこ の吐き出す あぶくだま
思い出に生きる「思い出の民」、刹那刹那を生きる「せつなびと」。彼らは同じ世界に共存している。
恋人が冷たい。 だったら、あたたかい恋人をつくってしまえばいい。 そう思った私は、生成AIを使って、私好みの恋人をつくることにした。 素材なら、いくらでもある。 私の恋人は、日常生活を定期的にライブ配信しているのだ。 恋い焦がれる想いをSNSに投稿しなくなった私に不審を抱いて、恋人が私のところへやってきた。 どうして最近、僕のことをつぶやかないの? 意気揚々と私は説明する。 あなたの声と映像を使って私好みの恋人を完成させたの。だからぜんぜんさみ
途切れたのか 切られたのか 手繰り寄せても ほつれて ほどけた 糸の先 風に乗せて 飛ばしてみたけど 絡みつかれた心臓が 行かせはしないと 鼓動している
ひどい言葉 浴びせられて 傷つけられたあなたを 明け方の毛布みたいに 抱きしめてあげたい
あまりにも長く 閉じ込められていたから 思い出せるものは あなたしかなかった 解き放たれた私は どうなると思う はじめて見たものを きっと 好きになるよ
お金がない
そんなものは なかったよ
雲が厚いね だけど ほのかに明るいよ 姿を見せない満月が 空の向こう側 光り輝いているからだよね
私の記憶は 私だけのもの 私の思い出を 盗み見るのは やめて
あなたに執着しています
noteに 1000回 投稿していた。 驚いている。
愛という言葉に 実感がわかない その単語に がっかりしているの ただ 好きでいてほしい 私は あなたが 大好き
ヤンデルきみを カッコイイ なんて 思ってしまっていたこと いまでは とても 反省している
一緒に 獺魂みるくココアを 飲んだこと わすれないよ
夢が私に 行けというから 夢にまかせて進んでみるわ
冬が立ち上がった日の夕暮れに もさっぱちゃんは 山へ帰って行ったよ と 風のたよりに聞きました。
まちがいなく 立ち上がったみたいだ 頭からかぶった毛布を ずるりと引きずったまま かわうそばけるくんは ひとり 窓辺に立って つぶやきました。 今日は立冬 暦の上では冬なのです。 冬が立ち上がった朝には あたたかいココアを飲みたいな よしっ と気合いを入れて 毛布をベッドに戻すと 引き出しから 毛糸のぼうしを取り出しました。 蔵カフェぼっこに行って 獺魂みるくココアを 一反木綿にいれてもらうのです。