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南天とは
 南天は、中国や日本が原産の常緑低木で、自然界では1~3mほどにまで生長します。漢名の「南天燭」から、日本では「南天(ナンテン)」と呼ばれています。夏に咲いた白い花は徐々に赤色になり、冬になると真っ赤な果実を実らせます。魔除けや火災よけの効果がある植物とされ、江戸時代には玄関先によく植えられていました。鬼門と呼ばれる南西の方角に置くのがよいとされています。
 他にも、難を転ずる→難転→なんてん、という意味合いから、お年寄りが転ぶときに寄りかかることができる木として、トイレの近くに植えられていたようです。

南天の花言葉
● 赤い実:幸せ/私の愛は増すばかり/よき家庭
● 白い花:深すぎる愛/機知に富む/募る愛
 南天は、白い花をつけた後に真っ赤な実をつけます。この様子が、愛情が高まっているように見えたことから「私の愛は増すばかり」という花言葉がつけられました。

立春と南天の関係
 年四回迎える節分でも立春前に限っては豆をまき、お赤飯を炊いて祝います。近頃恵方巻が流行していますが、節分や立春は新春を祝う行事であることから赤飯を炊くことが習わしでした。特に、祝いの赤飯には添え物として南天の葉を乗せる習慣があり、その音が南天ということから『難転』に通じ、縁起の良い木として鬼門または裏鬼門に植えることがあるようです。福寿草と共に『災い転じて福となす』ともいわれています。
 ちなみに、節分にまく豆は摩滅から転じたもので撒くことで邪気を払い、一方福茶(富久)として柚子、梅などと混ぜて飲むことが習わしもありました。

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