イチョウ並木_1015_

秋の北大について。

普段から多くの観光客が集まり、地元市民の憩いの場所となっている北大だが、秋になると色とりどりの紅葉を求めて更に多くの人が集まる。

大抵の北大生は3年目、4年目ともなると北大構内の四季の移ろいに頓着しなくなる傾向にあるようだが、僕はわりと大学生活4年目でも楽しみながら毎日の通学路であるメインストリート(通称メンスト)を歩く。

インターンの仕事やゼミでの発表準備に追われている中でも、2時間に一度ほどは必ず図書館や研究室から出て屋外の空気を吸う。チリチリと冷える肺の感覚がよく冷えた地酒をあおるようで心地よい。

▲イチョウ並木、9月27日。


10月にもなると、札幌では夜の気温が10度を下回るようになり、初雪の報せが届く。これでも北海道の中では道南の地域(函館など北海道南部)に次いで暖かい方だ。

それでも、北大の誇る観光スポットであるイチョウ並木がだんだん色づいてくる9月なかばあたりから、北大生は冬の防寒着を慌てて支度することとなる。僕は体が平均的な日本人より二回りくらいデカいので寒さに強く、やや遅れて上着をクローゼットから引っ張り出す。

▲総合博物館ヨコ。突然の秋雨に急ぐ自転車。10月4日。


僕は四季折々の自然が好きである。静岡に住んでいた小さいころ、冬に家の窓を開け放って掃除する母親に向かって「冬のにおいがする」と言って、母親を驚かせた記憶がある。田舎に住んでいて、幼いころから恐竜を始めとした生き物や地球環境に関心があったのでそういった感覚に敏感になったのだろう。

▲イチョウ並木、10月7日。色づき方にも個性がある。


田舎に住み、バスと電車で片道1時間くらいかけて私立のボンボン学校に通っていた少年はいつしか地元の子供と遊ばなくなった。一人で昆虫の世話や自転車での遠出に精を出すようになり、学校でもだんだんと独りで考え事をするようになった。


お友達、仲間はいたが、「親友」という概念の意味するものが当時はなんだかよく分からなかった。僕は一生浮いたまま生きていくのだと子供心に悟っていたような気がする。

▲イチョウ並木、10月13日。


時を経て僕は大学4年生。20代も半ばにして(諸事情で僕はストレートに進級していない)始めて親友を得た。それは自分の悩み、過去のトラウマじみたこと、自慢など、すべてを正直に、素直に打ち明ける体験を通して初めて得た感覚だった。

▲イチョウ並木、10月15日。くっきりと黄色くなるのと、ぐずぐずしているのがいるこの時期が一番好きかもしれない。


その間、静岡と北海道では紅葉の時期はややズレるものの、移ろう自然の美しさに変わりはない。


▲特に気の早い一本。この観光客達もやや気が早いが、まだ人が少なく、ゆっくりのんびり歩けるのでむしろ狙い目なのかもしれない。金葉祭のある10月28、29日は夜18時以降にライトアップもされるようだ。



金葉祭について参考まで。↓

https://twitter.com/hukonyosai


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