決意、絶対に許せない!|よじままひかる💫エッセイ
『結婚、引越し、奇跡の4人出産|よじままひかる💫エッセイ』からの続きです。
ひとまず、このシリーズは今回で終わり…ません。
次回でホントのホントに終わりです!(終わる終わるサギ)
行き当たりばったりで書いていったら、全然思い通りにいかないことが分かりました。(反省)
あと少し、お付き合いください。
・・・
▼四人目はとにかく可愛い!
40代半ばという超高齢出産にて第四子三女が生まれた時、上の子どもたちは
長女9歳(小3)
長男7歳(小1)
次女4歳(年少)
になっていた。
我が家に久しぶりに「赤ちゃん」がやってきて、他の子どもたちも小さな妹のお世話を我先にしようと取り合いになっていた。
そして私にとっても、この思いがけず授かった4人目がめちゃくちゃに可愛い!
4回目の育児だから気持ちに余裕があるからなのか、長女と長男への対応に悩むことが増えたからなのか、とにかく理屈抜きで可愛く思えて、上の3人が学校や幼稚園に行っている間の三女と二人だけの時間が私の至福の癒しタイムだった。
産まれる前は、4人も子どもが居たらどれほど大変になるだろう??と心配していたが、上の子どもたちが大きくなって一人でできることも増えたので「けっこうなんとかなるもんだな」と思えた。
▼父の夢、長男の野球
第四子三女が産まれる半年ほど前から、我が家ではある異変が起きていた。
それは父親のS男が長男に野球を習わせ始めたことだ。
そうなることは、うすうすとは分かっていた。
S男は自身が中学時代から野球を始めていて、一時はプロも目指していたくらい野球に打ち込んでいた。
プロという夢は叶わなかったが、社会人になってからも地元の草野球チームに入るくらいだから、自分に息子が出来たら絶対に野球をさせたいと思っていたはずだ。
案の定、長男が6歳の誕生日を迎えた途端に、野球チームに入れると言い出した。
ただ、私は長男が野球を始めることに対して懸念していた。
まず、私自身が全く野球に興味がない。
子どもがやりたいと言うなら反対はしないが、進んでやらせたいとは思わない。
そして「野球はお金がかかるし、親のサポートが必須」だと聞く。
四人目がこれから生まれるという時に、新生児を連れて朝から屋外での野球サポートなど考えられない。
長女と次女のそれぞれのやりたいことだってあるはずなのだ。
あと「土日祝日はほぼ野球でつぶされる」ことになる。
さらに野球の予定が最優先されて、他の予定が入れにくくなることが予想される。
これらのリスクを全て受け入れ、やろうと思えるだけの野球への情熱が私には無い。
かといって、S男の想いや、長男の可能性のことを考えると無下に反対もできなかった。
そこで、妥協案として「野球をやるのはいいけど、私はノータッチ」を宣言した。
S男もこれから4人目の出産を控えていることや、長女と次女のことも理解した上で「野球に関してはS男が全て担当する」ということで話はまとまった。
こうして長男は小学校入学前から、S男が望んでいた少年野球のチームに入団した。
そして、この長男の野球チーム入団をきっかけに、よじまま家の運命は変わっていくことになる。
(この辺の詳しいエピソードは別の記事に書きます)
▼絶対に許せないこと
S男の希望によって、長男を少年野球チームに入れて以降、S男の長男に対する執着はどんどん強くなっていった。
見ていて異常なほどだった。
野球チームでの練習はもちろん、家にいる時間は毎日かかさず長男に野球を教え込んでいた。
長男が年齢を重ねていく毎に、S男の指導熱も上がっていき、教えたことが上手くできないと怒鳴ったり、物を長男の体にぶつけたり、手が出ることもあり、止めに入る私ともケンカが絶えなくなっていた。
私 「叩いたり、暴力は絶対にやめて!」
S男 「何度言っても分からないんやったら、痛みで分からせるしかないやろ!」
話しにならない。
小学校高学年に入り、長男は何度か「野球を辞めたい」と訴えたが、S男は絶対に認めず、その度に長男を叱り、罵倒し、言いくるめて、野球を続けさせていた。
長男も長男で「辞めたい」と訴えつつも、父親に怒られるとすぐに従ってしまい、私が間に入って味方になっていても本気で父親に立ち向かうことはできなかった。
S男と一緒にいる限り、長男は野球から離れることはできないと感じていた。
S男と私との間の溝もどんどんと深まっていった。
長男が小学6年になると、S男と長男は夜に家の外で練習することが増えた。
練習から戻ってきた時の長男の様子がいつもおかしいことが気になって、長男と二人の時に話を聞いてみると、外で練習する時に上手く出来なかったり、話をちゃんと聞かなかったら、ボールをぶつけられたり蹴られたりするという驚愕な事実を話してくれた。
長男の話しを聞きながら自分の身体が震えていることに気付いた。
絶対に許せない
家でやると私に見られて止められるから、わざわざ外に出て見られないように長男に暴力を振るうなんて
長男から話を聞いた後すぐに、小学校と市の管轄する「子ども家庭相談室」に連絡をして相談に行った。
相談したことで、こども家庭センター(児童相談所)にも連絡がいき、職員からS男に「厳重注意」がされることになったが、注意だけで終わってしまい、S男が反省することはなかった。
▼中学の進路、もう限界
長男の小学校卒業がせまり、S男は長男が中学進学以降に入団する野球チームを探し始めていた。
私には何の相談も無いが、置いてある野球チームの資料を見ると、どこも自宅から遠く、月謝も今のチームより何倍も高額だ。
中学で野球を続けるにしても、学校の部活だろうと私は考えていた。
子どもが4人も居て、まだまだこれからお金がかかる時期なのに、野球にそんなにお金をかけれると考えてるんだろうか?
現状は貯金もほとんどできない家計状況だ。
以前にも「野球にお金をかけすぎている」と意見したことがあったが「俺、働いてるし、なんとかなるやろ」と能天気なことを言うS男。
いや、なんともならんし!
10年前から全然給料上がっとらんし!
S男の経済観念は結婚した当初からおかしいと思っていたが、10年以上経っても全く変わってなかった。
「バイトもしてるやろ」
と付け加えていたが、この「バイト」というのが曲者だった。
野球にお金を使い過ぎていると私が文句を言ったことで、S男は週に2回夜中から朝方にかけてアルバイトに行くようになった。
アルバイトが終わった後、そのまま本業の仕事に向かうのだが、当然寝不足は積み重なっていく。
車通勤なので、そのうち事故るんじゃないかと思っていたが、単独事故ならまだしも、人身事故でも起こされてはたまったものではない。
そう思っていた矢先のことだった。
事件は起きた。
S男は早朝アルバイトを始めてから長期間に渡り、アルバイト先である不祥事を行っていた。
そのことが発覚し、アルバイト先の会社から損害賠償を請求されたのだ。
その額数十万円。
払わなければ、告訴されるという。
バカなの!?!?
それにしても数十万円は高過ぎでは??
と思ったが、今回のことでS男は解雇になった為、従業員の補充費用、求人広告費用、慰謝料などが加えられたことにより高額になった様だった。
いっそ払わないで、告訴された方がいいのでは?
とも考えたが、父親が逮捕されてしまうのは子供たちが可哀そうだと思い直して、学資保険を解約して支払うことにした。
もうこれに懲りて、野球で無理なお金の使い方をすることも無くなるだろうと思っていたが、甘かった。
数十万円の支払いを終えた同じ週末。
S男が言ってきた言葉に耳を疑った。
「中学から入る新しいチームのユニフォーム代とかで10万くらい必要やからカード貸して」
ナニヲ オッシャッテ イルノデスカ?
私の中で、プツンと何かが切れた。
コイツとこの先も一緒に居たら長男は野球から離れられないし、家計は野球で破産させられる。
家族の平穏な未来はない
もう限界だ。離れよう
子どもたちを連れて、神戸に戻ろう
▼家族会議、子どもたちの反応
この事件が私の中の最終スイッチを押すこととなり、私は行動を開始した。
2024年2月終わり頃のことだ。
これまでもずっと頭の中では何度も何度も考えていたのだ。
だから迷うことなどなかった。
むしろ、ワクワクした。
まずは子供たち4人を集めて、私を含めた5人での家族ミーティングだ。
子どもたちにこれまでの事情や私が考えていることを、なるべく子どもたちが理解できる言葉で話した。
そして春休みに入る前に今住んでいる家を出て、祖母(私の実母)の住む神戸で住もう、と提案した。
その時の子どもたちの反応はこうだった。
【当時中2長女】
中1から不登校で「違う環境に行きたい」とずっと言っていたので、大賛成。「早く行きたい!」と大喜び。
【当時小6長男】
賛成とは言えないが(今の学校の友達関係が良好だから)、野球や父親からの暴力のこともあるので、私が家を出た状況でS男(父親)と住むなら私と住む方がいい。
【当時小3次女】
一番別居に消極的(父親や友達と離れたくない)だったが、このままの生活を続けた先に起こりえる未来の話を私から聞いた後は「そうした方がいいのかも...」という微妙な様子。
【当時年中三女】
ママが居ればどこでもいい。
突然の私からの提案に、子どもたちが不安に思うのも当然だ。
(長女と三女は問題なさそうだが)
特にS男からの暴力や野球問題の当事者である長男より、これまで何の問題もなく生活していた次女にとっては寝耳に水だったと思う。
なので「私に付いて来て神戸に住むか、S男と住むか」を最終的に判断して決めるのは子どもたちだと思っていた。
でも私は一緒に連れて行きたかったし、来てほしかった。
とりあえず、一週間後にもう一度話し合うことを約束し、第一回目の家族会議は終了した。
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