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阻止できない!?子どもへの身体的・精神的虐待に学校の「厳重注意」がダメなら次は「行政機関」に頼る!

父親S男が叶えられなかった「プロ野球選手になる夢」の為、小学1年生に就学する前から野球を始めた長男トト。

S男は「トトが野球で輝ける為」に自分の時間と使えるお金の全てを注いできた。

トトの意思や希望とは関係なく…

学年が上がるにつれ厳しくなっていくS男のトトに対する指導は、トトの自由な時間をどんどん奪い、S男が望んだ結果をトトが出せない時には他の家族に見えないところで体罰も加えられていた。

一年前、トトのSOSにより学校での話し合いが行われ、一時的にS男による過度な指導はなくなったものの、数ヶ月後にはまた元の支配的な指導が繰り返されるようになった。

トトが6年生の冬を迎える頃には、中学進学以降の野球進路のこともあり、S男によるトトに対する野球への執着はさらにエスカレートしていった。

S男の前では大人しく言う事を聞いているトトだが、その表情を見れば楽しそうでないことは明らかだった。

そんなトトを見ていて、どうしてもトトの本心を知りたかった私は、トトと二人で出かける機会を作り、トトが野球のことや父親(S男)のことについてどう思っているのかを確認しなければならないと思った。

トトと二人だけで出かけることが実現した日、トトから「毎日のように(S男)から暴力を受けている」こと「中学以降の野球についてS男から指示(命令)されている」という衝撃の事実を聞かされた。

怒りに燃えた私は、一年前の学校での話し合いの時に力になってくれた学校の先生に再び相談することにした。

・・・

2度目の学校への相談

トトが6年生に進級した際に担任となったのは1年前、学校での話し合いが行われた時にまとめ役になってくれた学年主任のN先生だった。

1年前の話し合いでお世話になったN先生

私にとってはとても心強い先生だ。
1年前の話し合いの時も、このN先生が居てくれてトトとS男の間に入って話をしてくれたからこそ、S男の暴走を一時的にだが止めることができたと思っている。

トトが6年生になった時、N先生に担任を受け持ってもらえたことはとても嬉しかった。
できればもう相談などせず、卒業まで平穏に過ごしたかった。

でもそうならなかった以上、N先生がトトの担任であることは非常にありがたかった。

トトから話を聞いた後すぐに私は学校に連絡し、N先生に時間をとってもらえるよう伝えた。

N先生はすぐに承諾してくれ、その日の午後に私は学校へ向かった。
学校は既に冬休みに入っていた。

・・・

「行政機関に相談」という選択肢

私の中にはもう既に自分がやるべきことは見えていた。

ただ、それを実行すると学校にも何らかしらの影響がでると考えたので、先に連絡しておこうと思った。

N先生に会い、会議室に通され話を始めた。

トトと二人で出かけた時に聞いた父親からの暴力と、中学進学以降の野球について本人の希望ではなく父親から命令されていることをやらされそうになっていることを話した。

N先生は真剣に話を聞いてくれていた。

そして、ここからが本題だ。
私が今、考えていることを先生に話した。

「父親からのトトへの暴力が止まらない以上、このままにしておけません。児童相談所へ通報しようと考えています。」

はっきりと言った。

N先生は私の考えを肯定してくれた上で、話してくれた。

「分かりました。私も行政に相談することは賛成です。あとこれは情報のひとつとしてお話するのですが、児童相談所と同じく子どもに関する相談窓口として市役所の中にも相談できる部署があります。そこに連絡すれば、児童相談所とも連携がとれるはずです。」

確かに「児童相談所」よりも「市の相談窓口」の方が相談する側の気持ち的なハードルは下がるような気がした。

私が望んでいるのは、あくまでも「父親による行き過ぎた過干渉」を阻止することであるので、暴力を受けている子どもを父親から分離し保護してもらうことではない。

「児童相談所」に通報するということは、「親子分離」「保護措置」という緊急性を伴うイメージがある。(実際はどうなのか分からないが)

N先生も「児童相談所」に通報した先のことを考えて提案してくれたのだろうと思った。

N先生の話を聞き、まずは「市の相談窓口」へ連絡することは、今の段階では合理的なことのように感じた。

「なるほど。分かりました。では年明け一番で市役所に相談に行ってきます!」

その私の言葉にN先生は

「分かりました。では学校側も情報を共有して役所からの問い合わせがあった場合の協力体制を準備しておきます。」

と力強く言ってくれた。
その言葉に私は力をもらえた。

こうしてN先生との話は終わり、私は学校を後にした。

そして年が明け、市役所の仕事始めの日に市役所へ連絡した。

・・・

いざ、市役所の相談窓口へ

年明け早々、市役所の仕事始めの日を待ち構えて、まずは電話で問い合わせしたところ、いつでも相談可能とのことで、さっそくその日のうちに市役所へ出向くことにした。

市役所内の「相談窓口」では2人の相談担当職員(女性)が対応してくれ、突然の訪問だったにも関わらず3時間以上も話を聞いてくれ対処方法を考えてくれた。
午後2時頃に訪問して、話が終わった頃にはもうとっくに外は真っ暗だった。

お役所の職員なのに、こんなに時間を割いてくれたことに驚いた。

相談の結果、市役所としてできる対処方法は次の通りだった。

●緊急性のある場合は児童相談所と連携し「一時保護」となるが、そうでない場合は市役所で「面談」という形で父親S男に対し注意喚起するくらいしかできない

●市役所に在籍している心理士による長男トトへの心理検査及び発達検査を行い、その結果を元に父親S男と面談を行い「子どもへの身体的・精神的虐待」についての注意喚起を行うことはできる

面談と注意喚起という流れは去年、小学校の先生がやってくれたことと同じ内容なのだが、学校のさらに上位の「行政機関」からの注意喚起であれば、父親S男が受けるプレッシャーはより強まるのではないか。

効果は一時的なものかもしれないが、とにかく中学進学というタイミングでトト自身が希む選択ができる状況にすることが重要なのだ。
父親の言いなりでしか自分の未来を決めれないと思わせることだけは絶対にしたくなかった。

とにかく、今できることをやるしかない。

そう考えた私は担当してくれた相談員にトトの心理・発達検査と、その後の父親との面談についてもお願いすることにした。

すぐに話は進み、当月中にトトの検査の日程が決まり、翌月には父親S男との面談の日程も調整してもらえた。

さぁ、再びS男とのバトルのゴングが鳴る!

・・・


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