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トト#1:人の話しを全く聞かないお調子者。だけど嫌と言えないナイーブ君。

よじまま家の長男「トト」は現在中学1年生の12歳。

2024年3月某日に私と他のきょうだい達と一緒に、元住んでいた地域と父親から離れて神戸に来た。

ところが、その2ヶ月後、トトは父親の元へ戻ってしまった。

トトから「戻りたい」と言われた時は鈍器で頭を殴られたみたいにショックだった。

だって、私が結婚後から住んでいた場所を離れ、父親からも離れた一番の理由が父親とトトとの関係性であり、トトは父親から離れた方がいいと判断したからだ。

私は間違っていたのだろうか…?

トトの気持ちを分かってなかったんだろうか…?

自問自答するが、あの時、私はああするより他はなかったと今も思っている。

でもトトが「戻りたい」と強く言っている以上は、その意思をないがしろにはできない。

納得はできないし、自分の側に居てほしいけれど、トトの意志を優先しなければ、私も父親と同じことをすることになる。

本当に悔しかったが、私はトトを元住んでいた父親の元へ戻した。

トトが戻りたい理由にあげたのは

●前の学校友達と一緒に中学校に行きたい
●部活で野球がしたい
●認知症のバアバと住みたくない
●パパは反省してると言ってるから暴力はもうしないはず

だった。
まぁ、どれも分からくはない。
トト自身も本当にそう思っているとは思う。

でも、私は他にも理由があると思っている。
本人は言わないだろうけど。

私がなぜそう思うのか。
トトの幼少期からを振り返りながら、考えてみたいと思う。

【トト】赤ちゃん~3歳頃

トトは、小さな頃から笑顔が可愛い男の子だった。
周りのママ友の間では「トトちゃんスマイル♡」と呼ばれているほど愛らしかった。

でも私には「悪魔の微笑み」にしか見えなかった。
それくらい2~3歳頃のトトはコントロールがきかない子どもだった。

長女が極端に動かないタイプだったから余計にそう感じていたのか、とにかくじっとしていないので、トトが幼稚園に入園するまでは買い物に行くことが何よりもストレスだった。

ママと手を繋いで歩く同じくらいの子を見ると信じられないものを見ているようだった。
(長女もあまり手を繋いで歩かなかったが、乗り物には大人しく乗るので問題なかった)

スーパーの食品売り場で何度注意してもお肉やお魚のパックを触って指で穴を開けようとする。

イラついてトトの手の甲を思いっきりつねったこともあった。
(そのことは後で思いっきり後悔した)

言葉が出てくるのもかなり遅かったし、たぶんこの時期からすでに耳から聞いたことを記憶しにくい特性が表れていたのだろうと思う。

でも、当時の私にはそんな情報も知識もなく、ただただトトの行動にストレスを感じるだけだった。

【トト】幼稚園時代

ようやく幼稚園入園でつかの間の一人時間ができると思いきや、激しい登園拒否にあった。

2歳上のお姉ちゃんも同じ幼稚園に通っているので安心だとタカをくくっていたが、甘かった。

慣らし保育の3日間はずっと泣きっぱなしで、園の隣の公園からコッソリ様子を見ていた時にトトに見つかり、ものすごい勢いで園から脱走しようとしたこともあった。(先生に見つかって阻止されたが)

入園後も泣いて私にしがみついて全然バスに乗ってくれず(お姉ちゃんが一緒に乗ってるのに)、まだ乳飲み子だった次女を抱えて2ヶ月くらい毎朝自転車で幼稚園まで送っていった。

1学期が終わる頃には慣れてくれて、バスにも乗ってくれるようになったけれど、今度は先生の話を全く聞かない自由過ぎるお調子者に変貌し、先生や私を困らせていた。

泣いてた頃よりはずっといいけど、私はなんでトトは話しを聞いてくれないんだろうってずっと思っていた。

【トト】小学校時代

幼稚園を卒園して小学校に入学する時、心配したのはトトの場所見知りだ。

幸い、小学校でも2歳上のお姉ちゃんがいるし、同じ幼稚園からトトが通う小学校にあがる友達は20人以上いる。

これならかなり幼稚園の登園拒否よりはマシかもしれない。
私は期待していた。

そして入学式当日。
ピカピカのランドセルとかっこいいスーツに身を包み、家族そろって小学校へ。

ところが、小学校の正門の前で動かなくなったトト。
突然泣き出す。

「怖い!行かない!いやだ!」

マジか…!
ここで拒否られるとは…!

私 「今日は行きも帰りも一緒だし、すぐに終わるから大丈夫だよ~。ほら、お友達もいるよ~」

涙目でにらみつけてくるトト。
意地でもここから動かないぞ!と目で訴えている。

もうすぐ式が始まる時間なのに、どうしようと思っていた頃、先生が門の外まで迎えにきてくれた。

新入生のお世話係で登校していた新6年生のお姉ちゃんたちもたくさん来てくれた。

「どうしたの~。いっしょに行こうよ~」

「ほらほら~。こっちだよ~」(グイグイひっぱっていく)

お姉ちゃん達にもみくちゃにされながら、なすすべなく引っ張っていかれるトト。

助かった。

式はすでに始まっていたので、トトだけ別の席に座らされていた。

そして入学式後もやはり登校拒否は続き、またもや2ヶ月間学校まで送り届けることとなった。
この時4人目の妊娠後期。

トトは小学校でも慣れてくると、人が変わったようにお調子者の自由人となった。これも幼稚園の時と同じだ。

お調子者だけど、気は弱いのでよく周りからイジられたりもする。

きっとこの子は要領があまりよくないんだろうな、と思っていた。

あと、心配していたのは、あまりに人の話を聞けないことだ。

何か気になるものが目に入ったら、そっちに気を取られてしまい、先生の話などほとんど聞けていない。

小学2年生の時点で、宿題が全くできず、私が教えようとしても話を聞かず集中しないので、これはもう私の手に負えないと先生に泣きついた。

こうしてトトは小2から通級学級に通う事になった。

通級の先生がとても良く見てくれて、トトの特性に合った勉強方法を教えてもらえたおかげで、トトは周りと比べてもそんなに遅れることなく学習に取り組めるようになった。

私もトトの特性に対してどうすればいいのかを知れるきっかけとなったので、通級に通えたことは非常によかったと思っている。

トトの小学生時代を語る上で、どうしても外せないことがまだある。

それは野球だ。


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