人を助ける意味
毎日本を読んで、感想を簡単に書いています。いつも読書の絵を最初に掲げるとくどいので、今回は蓮の花にします。
フィンランドに関心があるので読み始めましたが、フィンランドに関係する部分はほんの少し。大半は「生きる意味」についてページが割かれています。
でも本の内容は、予想以上でした。こういうシンプルな主題について、まじめに考えています。何回も読み返したくなりました。
「人を助けることが自分を助ける」(168~183ページ)を要約して残しておきます。この本の結論だと感じたからです。
人助けは、いうまでもなく他者を支援し、困難を解決するために行われる行為です。
社会全体の幸福や安定を保つための重要な要素となっています。
社会の一員としての役割
人は社会の中で生きており、他者との関わり合いの中で成長し、生活を営んでいます。
そのため、人助けは社会の一員として果たすべき役割の一つと言えます。堅苦しい言い方ですが、例えば、困っている人がいたときに助けることで、その人が再び自立して社会に貢献できるようになることがあります。これにより、社会全体の安定や発展が促進されるのです。
共感と連帯感の醸成
人助けをすることで、共感と連帯感が生まれます。他者の困難に共感し、それに対して行動を起こすことは、人間関係を深め、信頼を築くきっかけとなります。孤独に陥ることがなくなります。
仕事で忙しい時も、孤独感は減退しますが、より長続きするのは相手への共感を抱き、連帯することです。
例えば、災害時にボランティア活動を行う人々は、自らの利益を考えることなく、被災者のために力を尽くします。
このような行為は、被災者にとって大きな支えとなるだけでなく、ボランティア自身も社会の一員としての連帯感を強く感じることができるのです。
自己実現と充足感
人助けは、自己実現の一つの手段ともなり得ます。誰かを助けることで、自分が社会に貢献しているという実感を得ることができ、それが自己の成長や充足感につながります。
例えば、教師が生徒に対して熱心に指導を行い、その結果生徒が目覚ましい成績を上げた場合、教師は自らの努力が実を結んだという達成感を得ることができます。
カナダの大学の調査では、他人のためにお金を使った人は、健康状態が改善することが分かっています。下の動画は、さらに踏み込んで、支援を受ける側も、支援がどう役だったか可視化すべきだと指摘しています。
助けられた経験が助ける動機に
人助けの意味は、助けられる側にも大きな影響を与えます。助けられた経験が、その後の人生において他者を助ける動機となることがあります。
助け合いの輪が広がるってことです。
例えば、ある学生が経済的に困難な状況にあったとき、周囲の人々からの支援によって学業を続けることができたとします。この経験が、その学生にとって大きな感謝と共に、将来的に他者を支援する意欲を生むことがあります。
シスとは何か
実際に、フィンランドでは「シス」と呼ばれる精神が重視されています。シスは困難に直面しても諦めずに努力することを意味しますが、同時に他者を助けることによって困難を乗り越える力ともなります。つまり、人助けは自分も助ける。winwinになるってことですね。こういう概念が、すでに単語としてあるんだ。
結論です
人助けは、社会の一員としての責任、共感と連帯感の醸成、自己実現と充足感の獲得、そして助けられた経験が新たな助け手を生むという意味を持ちます。
これらの要素が組み合わさることで、個人だけでなく社会全体の幸福が向上し、安定した社会が形成されるのです。
本書は生きる意味について、さまざまな角度から取り上げていますが、他人を助けることは、1つの答えでしょう。いろいろ寄付をお願いされることがあるけれど、これからは積極的に考えてみたい。
本書の中で引用されていた映画
「素晴らしきかな、人生」オリジナルは
こちらはリメーク版。
私がくどくど書くより、この映画を見た方が、理解できそうです。