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アリソン・フッカーがトランプ政権で要職に。対話路線鮮明に

アリソン・フッカーは、トランプ政権において北朝鮮との交渉に深く関与した外交官であり、特に2018年から2019年にかけて行われた米朝首脳会談において重要な役割を果たした。

彼女はシンガポールやハノイでの会談、そして板門店でのトランプ大統領、金正恩委員長、文在寅大統領の歴史的な会談にも同行し、米国の北朝鮮政策の策定と交渉において中心的な役割を担った。

彼女の経歴を振り返ると、2001年から2014年にかけて米国務省の情報機関で北朝鮮専門のアナリストを務め、六者協議にも関与していた。

その後、2014年から2017年までオバマ政権下で国家安全保障会議(NSC)の韓国・北朝鮮担当官として勤務し、朝鮮半島に関する政策形成に携わった。朝鮮語を流暢に扱う。

2017年にトランプ政権が発足すると、彼女はNSCの朝鮮半島担当上級部長および大統領補佐官代理として、米朝交渉を主導する立場となった。

今回、彼女が再びトランプ政権の下で国務次官(政治担当)に指名された背景には、その豊富な経験と実績が評価されたことがある。

特に、北朝鮮との対話を再開する可能性が高まる中で、過去の交渉に深く関与した彼女の知見が求められているのだろう。

実際、トランプ政権は北朝鮮問題に精通した人物を次々と要職に据えており、アレックス・ウォンが国家安全保障副補佐官に、リチャード・グレネルが北朝鮮問題担当の特使に任命されるなど、交渉を重視する姿勢がうかがえる。

こうした人事の動きは、バイデン政権が取っていた制裁を中心とする強硬姿勢から、交渉を重視する方向へのシフトを示唆している。

北朝鮮の金正恩政権は依然として核戦力を拡大し、ロシアとの軍事関係を強化するなど、対話の可能性が低いとも見られるが、トランプ政権はそれでも交渉の道を模索しているのかもしれない。

今後の展開次第では、北朝鮮が再び米国との協議の場に戻る可能性も否定できない。

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五味洋治 Yoji Gomi
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