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エビデンスに基づく子育て

まだ小さな息子がいるので、子育ての本を読みます。「勉強しろ」と言わないと勉強せず、ユーチューブばかり見ている息子をどう考えればいいんでしょうか。

そのヒントとなる本を読んだので紹介しましょう。
筆者は、障害児教育に20年携わり、今は大学で教えている人だそうです。


この本によれば、

子供に「勉強しろ」と言うことは、必ずしも有効とは言えません。


バランスが必要


OECDのレポートによると、子供の将来の成功と社会全体の進歩を達成するためには、認知スキルと非認知スキルの両方をバランス良く育てる必要があるとされています。

レポートはここからダウンロードできます。

認知スキルとは、読んだり、書いたり、計算したり、問題に答えたりといった、いわゆる教科の学力につながる能力のことです。

一方、非認知スキルとは、コミュニケーションスキル、感情コントロールスキル、創造力、意欲的態度、誠実さ、協調性など、教科の学力以外の能力を指します。

「勉強しろ」と言うことは、認知スキルを育てることには役立つかもしれませんが、非認知スキルを育てることには役立ちません。

非認知スキルを育てるためには、子どもが自発的に活動に参加し、他人と協力し、問題を解決する経験を積むことが重要です。

勉強に嫌悪感も


また、「勉強しろ」と強制されることで、子供が勉強に対して嫌悪感を持つようになり、学習意欲が低下する可能性もあります。

したがって、「勉強しろ」と言うことは、必ずしも有効とは言えません。子供の将来の成功を願うのであれば、認知スキルだけでなく、非認知スキルも育てることを意識し、子供を励まし、サポートすることが大切です。

それでは非認知スキルってなんでしょう。

非認知スキルとは、忍耐力や協調性、自己肯定感、コミュニケーション能力など、テストの点数では測れない大切な力のことです。これらのスキルを育てることで、子どもは人生のさまざまな場面でより豊かに成長していけます。以下は、具体的な育て方のポイントです。

挑戦する機会を作る


子どもが少し頑張れば達成できることに挑戦させましょう。例えば、新しい習い事や、ちょっと難しいパズルに取り組ませることで、「頑張ればできる!」という自信が育ちます。

失敗を学びのチャンスにする


「失敗しても大丈夫」と伝え、失敗から何かを学ぶ経験を大切にしましょう。「どうすれば次はうまくいくかな?」と一緒に考えることで、子どもは問題解決の力や粘り強さを身につけます。

他の人と協力する経験を増やす


友達や家族と一緒に何かをする機会を増やしましょう。例えば、スポーツやボードゲーム、料理などを一緒に行うことで、協調性や思いやりの気持ちが育ちます。

感情をコントロールする練習をする


子どもが自分の気持ちを上手に表現できるようサポートしましょう。「今、どんな気持ち?」と聞いてあげたり、「あと10分で終わりだよ」と伝えて見通しを立てやすくすることがポイントです。

努力や過程を褒める


結果だけではなく、「頑張った過程」や「工夫したこと」を褒めることで、子どもは自分に自信を持てるようになります。「最後まで諦めずに頑張ったね!」など、声をかけてあげましょう。

自由な遊びや自然体験を大切にする


外遊びや自然の中での体験を通して、子どもは主体性や創造力を育みます。例えば、キャンプや公園での自由な遊び、ブロックや工作での創作活動などが効果的です。

親が良いお手本になる


子どもは親の姿を見て学びます。親自身が努力する姿や、冷静に話す姿勢を見せることで、自然と子どもも真似するようになります。

感謝や謝罪を自然に伝える


日常の中で「ありがとう」や「ごめんね」を自然に伝える習慣をつけると、子どもは思いやりや人との関わり方を学びます。

本や物語を通じて想像力を育てる


読書をすることで、子どもは他の人の気持ちを想像したり、考えたりする力を育みます。「この人はどうしてこうしたんだろう?」と話し合ってみるのもおすすめです。

非認知スキルは、すぐに目に見える成果が出るものではありませんが、日々の小さな積み重ねがとても大切です。焦らず、温かく見守りながらサポートしていきましょう。

参考文献


子どもの非認知スキルを育てる方法について学べる本をいくつか紹介します。どれも読みやすく、親や教育者にとって役立つ内容です。

  1. 『私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む 単行本 』
    著者:ポール・タフ
    内容:学力だけでなく、人生の成功や幸福には「非認知能力」が重要であることを、科学的なデータや実例を交えて解説しています。子どもの忍耐力や自制心をどう育てるかについて考えさせられる一冊です。

  2. 『「学力」の経済学』
    著者:中室牧子
    内容:教育に関するデータをもとに、子どもの「学力」だけでなく「非認知能力」の重要性を分かりやすく解説しています。親が実践しやすい具体例も豊富です。

  3. 『世界標準の子育て』
    著者:船津徹
    内容:子どもの自己肯定感や主体性を育む方法について、世界の教育方法をベースに解説しています。家庭でできる実践的なアドバイスが多いです。

  4. 『非認知スキルを育てる 子どもが伸びる関わり方』
    著者:中山芳一
    内容:教育現場の経験をもとに、子どもの非認知スキルを家庭や学校でどのように育てるかを具体的に提案しています。子育てにすぐ役立つヒントが満載です。

  5. 『自分でできる子に育つ ほめ方 叱り方』
    著者:島村華子
    内容:子どもの自己肯定感や自制心を育てる「ほめ方」「叱り方」のコツを分かりやすく解説しています。実践しやすい内容なので、日常に取り入れやすいです。

  6. 『EQ こころの知能指数』
    著者:ダニエル・ゴールマン
    内容:感情を理解し、コントロールする力「EQ」の重要性を解説した名著です。非認知スキルと深く関連するEQを知ることで、子どもの心の成長をサポートできます。

  7. 『スタンフォード式 最高のリーダーシップ』
    著者:キャロル・S・ドゥエック
    内容:努力や過程を評価する「成長マインドセット」を提唱したキャロル・ドゥエックの著作です。子どもの挑戦心ややる気を育むための考え方が学べます。

いまベストセラーになっています。立ち読み中です。のちほどご紹介します。

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五味洋治 Yoji Gomi
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