アダム・スミスが見抜いていたこと

黄金週間だけれど、今年はどこにも行かなかった。いや、小6の息子の趣味の鉄道の店には2回行ったが、それだけ。

今週日曜日に塾の組み分け試験があるからだ。上のクラスに入らないと、上位の学校は狙えなくなる。

理科、社会はなんとか出題範囲を復習し終えた。

問題は国語だ。もともと本を読まない上に、抽象度の高い文章になるとお手上げになる。

そのため、この連休では難しめの評論文をテーマにした問題を選んで解かせてみた。

やっぱりできない。文章自体も理解できないが、質問の意味も読み取れない。

分かりやすい問題を挟んで、難しい問題を今日もやらせてみるつもり。

国語の問題を眺めていると、各私立中学がどんな子どもを求めているのか分かる感じもする。

本格的な論理的な文章を読める子どもを求めているのか、素直な感受性を大切に考えているのか。

今回選んだ問題の1つは、洗足学園中のものだ。

重田園江さんの「ホモ・エコノミクス ──「利己的人間」の思想史」 (ちくま新書)をテーマにしている。

この中に、経済最優先の社会は、食料不足や環境破壊に直面している。

経済学者で「国富論」を書いたアダム・スミスは、富の追求と徳の追求は両立しない。徳を求めるべきだと言っていたという。

おぼろげながら、高校時代にこんな話を読んだ覚えがある。

調べて見ると、スミスの思想について書かれた文章はたくさんある。

幸せとは何かが関心を集める今の時代、改めて、経済学の先駆け、アダム・スミスがこう考えていたことを丁寧に解説したこの本は、評判を呼んだ。

さっそく本全体を読みたくなった。出題者も同じ考えなんだろう。息子は「全くわかんないよ」と頭をかいている。

難しい表現が多いけれど、いつか、世の中のあり方を疑い、変えるような人間になってほしい。

女子中なので、息子はいけないけれども、こんな国語の問題を出す学校に、子どもを送りたいものだ。


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五味洋治 Yoji Gomi
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