アップルデイリー創刊のことば
香港の反中国メディア、アップルデイリーの創刊の言葉を見つけたので記録しておきます。
『アップル・ディリー』は創刊号の社説「『アップル・ディリ一』——我々は香港に属する」で、以下のように「香港人 の新聞」を謳い上げつつ、香港のグローバルな性格を讃えた。「我々は香港人の新聞を創刊した。返還まで二年を残すだけのこの時期に新聞を創刊するのは、将来の状況の変化を恐れな いからか?いや、我々は恐れている。しかし我々は恐れを自らへの威嚇としてはならない。悲観一色に塗りつぶされることがあっては尚更にならない。我々は未来を積極的かつ楽観的に見なければならない。我々は香港人なのである。 過去、香港人は自らの手で数々の奇跡を創造した。将来、香港人はさらに多くの奇跡を創り出す必要がある。なぜなら香港人自身が奇跡なのだから。違うだろうか? 我々は中国史上最高の自由と最も豊かな場所を創造した。ニューヨーク、ロンドン、東京など国際クラス の大都会に比肩しうる一個の都市を築いた。この奇跡の創造を誰が止めることができようか?
世界の情報の通路において香港は一つの通過点に過ぎない。しかし我々は時空を駆け抜ける情報交流を通じて透明化されている。一秒、一分ごとに世界のメディアが注視し世界の世論の監視を受けている。世界の皆が見ている中で、誰が敢えて香港を馬鹿にするような行動を取れるだろうか?
我々は地球大の精密な情報ネットワークと優れた自由法治の伝統、無数の国際クラスの人材にからみ取られている。我々は中国と世界の経済交流に他では代替不可能な積極的な役割を果たしている。利害関係は均衡している。中国は我々の自由で豊かな生存空間を打ち壊すことができるだろうか?
我々は中国の公民であり、また世界の公民である。我々は中国に属し、また世界に属する。
九七年以後の香港の言論の自由に対する我々の自信は絶対に揺るがない。我々は情報科学技術が持つ物事を透明化する力を信じ、また暗黒が光明を遮断し尽くすことはできないと深く信じる。そうだ。香港、 世界のあらゆる場所において、メディアが持つ物事を透明化する力は自由繁栄の最大の保証である。情報が行き交う今日、人々が自由に選択しうる力は何にも増して強大である。読者が我々を選び、我々の報道を支持し、我々の立場に共鳴すれば、どんな大きな圧力に対してでも我々は立ち上がることができる。そうだ。我々に必要なのは読者の支持である。他のどんな勢力の助けもいらない。我々が自分の仕事に専念しさえすれば、読者が我々を支持してくれるものと深く信じる。自由を習慣化した香港人は、不合理な禁制や不公平な処遇を黙って見過ごしたりはしないと我々は固く信じる。香港人は生来、自由を熱烈に追求してきたのである。アップル・ディリーは香港人の新聞である。香港人の意向は我々の意向である。我々は自分たちの持ち場をしっかりと守り、矜恃に溢れた香港人に奉仕する。
香港情報の研究280-281p