韓国の進歩勢力を皮肉ることば 「ネロナムブル」

韓国の進歩勢力を揶揄する言葉に내로남불がある。隠語めいた響きがあるが、すでに市民権を得ており、テレビ番組などでは「それはネロナムブルだ」「ネロナムブルしてはならない」などと使う。

もともとは私がすればロマンス、他人がすれば不倫(내가 하면 로맨스, 남이 하면 불륜、ネガハミョン ロメンス、ナムイハミョン ブルリュン)の頭文字を取って作られた造語だ。

そのままの意味なら、結婚している状況で他の異性と関係を持っていることは不倫だが、自分がやっている場合は「ロマンス」と呼ぶという意味だ。

つまりは、自分勝手な自己弁護を行うという自己中心的な行動を批判する言葉だ。

現在、代表的なネロナムブルとして攻撃されている政治家は朴槿恵大統領だ。野党指導者時代には歴史は国民と歴史学者に任せなければならないと主張したが、国定教科書の発行を強行した姿が典型的なネロナムブルという主張だ。

これに先立って、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代には、たばこを500ウォン値上げすることに反対していたが、本人が大統領になった後には、2000ウォンを値上げした事例もネロナムブルに入るとされる。簡単に言えば二重基準(double standards)といえる。


この言葉は2020年の流行語として蘇った。
ホン・サンス監督の지금은 맞고 그때는 틀리다 수위という映画が公開されたが、これがまさにネロナムブルをテーマにしたものだ。

偶然に会った妻帯者と未婚女性の恋愛談を2部に分けて描いた。1部では妻帯者であることを隠して女性と付き合う様子を描き、2部は妻帯者であることを先に明らかにし、女性の心をつかむ様子を描いた。

ニューヨークタイムズ(New York Times)も韓国の政治的状況を説明するための用語として「ネロナムブル」を紹介したこともある。

文在寅政権に対して、この用語が使われる事が多い。
例えば韓国の中央日報は、21年4月のソウル、釜山の市長選で与党の民主党が負けた理由について、目に余る「ネロナムブル」が原因だったと指摘している。

ジョン・ロールズによると、正義は平等な自由と公正な機会が前提にならなければならない(『正義論』)。市民の誰もが自由の権利を同等に受け、誰もが特権と反則なく均等な機会が保証される必要がある。避けられない社会・経済的不平等は「もっとも恵まれていない人に最大限の恩恵が与えられる場合」に限り容認される。これを華麗な修辞で組み合わせたのが「機会は平等で、過程は公正で、結果は正しい」という文大統領の就任演説だった。

その結果はどうだったのか。「国民には冷厳な基準を突きつけ、ネロナムブル(私がすればロマンス、他人がすれば不倫)という二重の態度を見せた」という与党初選議員5人の反省のように、機会は平等でなく、過程は公正でなかった。金海永(キム・ヘヨン)前最高委員も「チョ・グク元法務長官が見せた特権的な姿は、社会の格差を減らすことが核心である民主党では擁護できないこと」と批判した。(https://s.japanese.joins.com/JArticle/277750?sectcode=100&servcode=100)

韓国の進歩勢力の特徴的な姿勢とも解釈されている。

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