きっとよいことが待っている 赤毛のアン
今、その道は、曲がり角に来たのよ。曲がった向こうに、何があるかわからないけど、きっとすばらしい世界があるって信じているわ。
それにはまた、それのすてきなよいところがあると思うわ。その道がどんなふうにのびているかわからないけれど、どんな光と影があるのかーどんな景色が広がっているのかーどんな新しい美しさや曲り角や、丘や谷が、そのさきにあるのか、それはわからないの」(村岡花子訳)
カナダの作家ルーシー・モード・モンゴメリが書いた小説『赤毛のアン』は、日本で人気が高い。その理由はいくつかあるが、自然の美しさの表現、孤児と老いた独身兄妹という奇想天外な取りあわせ。そして、村岡花子による翻訳の魅力だと言われている。
実は赤毛のアンは、大人向けに書かれた小説だったが、村岡は巧みに省略をきかせ、原作の魅力を引き出した。
『赤毛のアン』の主人公は、好奇心旺盛で想像力豊かな少女アン・シャーリーだ。マシューとマリラという老兄妹に引き取られて、プリンス・エドワード島で生涯の友と出会い、楽しい事件を次々と起こしていく中で素敵な女性に成長していく様が描かれた作品だ。
冒頭のセリフはマシューが突然亡くなり、マリラも目の病気になってしまう。アンは大学に行く道を諦め、島で教師となって生きる道を選ぶというシーンだ。
曲がり角は、人生のいつどこでも訪れる。
まだ先が見えないことについて、不安や恐れを持つよりも、期待を持つだけで楽しくなる。
この言葉は、
『赤毛のアン』の中で、多分もっとも有名なものの1つだが、
読んだ人が前に進む勇気をもらい、記憶したのだろう。
舞台となった島はカナダ東部セントローレンス湾に浮かぶ。花の咲くシーズンになると多くの観光客が訪れる。
アンが見たのは、どこのどんな曲がり角だったのだろうか。
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