「銀の匙」教育法って意外だった 灘中の水溶液
先日、国語教育を専門とする大学の先生の話を聞いていたら、神戸の灘中、高校の話になった。
かつて「銀の匙」という小説を、3年間かけて徹底的に読み込むことで国語力を付ける授業が行われていたが、この授業を研究しているそうだ。ここに国語復活の鍵があると感じているんだって。
明治時代を描いた文学作品にどんな魔力があるんかしらと思ったら、その作品自体ではなく、文章に出てくる単語などを手がかりに関心を広げていくという教え方だ。主人公の気持ちを聞くんではなく、関心と知識を広げていく。
つまりは脱線だ。
なーるほどね。
さっそく関連の本を読んでいる。
例えば「学ぶ」と「遊ぶ」の2つの単語から何を感じるかと投げかける。アソという単語から、阿蘇山や阿蘇海が思い浮かぶ。さらに、「ぶ」で終わる単語を並べてみよう・・・という具合だ。生徒が威勢良く手を上げるシーンが目に浮かぶようだ。
やはり中身が古すぎ、単語の読み解きに時間を使っているのが気になる。
授業の内容は以下の本が参考になる。
私も、実際に目を通した。
橋本授業のエッセンスが簡潔にまとまっている。
本人が書いただけに、授業の詳細が分かる。
橋本授業とは方向が違い、読書の楽しみに重点が置かれている。
授業の内容もユニークだが、この授業を行っていた橋本武さんという先生も、輪をかけてユニークだ。
かつて灘が地元名門校の滑り止めだった時代のことをあちこちでユーモラスに語っている。
戦前には学校で刃物が飛び交った時代もあったという。
対談相手は作家の遠藤周作さんだ。遠藤さんは、かつての灘校において、自分が札付きの劣等生だったことを語り、自虐の笑いをとっていた。
この国語授業だけで学校のレベルが上がったとは思わないものの、私学でしかできない思い切った授業であることは間違いない。
そういえば、私は天下の名門、灘中の入試算数にも取り組んだ。ほとんど解けなかったが、1問だけすらすら行ったのがあるので
自慢のため
残しておこう。
それは水溶液の問題だ。中学受験をした人や、親御さんなら悩まされた経験があるはず。多種多様なバリエーションがあるものの、天秤算で簡単に解けることもある。
天秤算とは、簡単にいうと、比率を使ったものだ。
2022年の灘中の問題に、その水溶液が出てくる。こういうトップ校が、こんな古くさい問題だしていいのかね。
それはいいとして、一見難しそうだが2回天秤算を使うと、推理ゲームのようにきれいに答えが出てくる。
1枚の紙では説明しきれないが、数学オンチの切り札、水溶液の天秤算については、分かりやすい解説がある以下のリンクをご覧ください。