アントン・ヴェーベルン(1883-1945):ヴェーベルンを巡っての8つの断章(2)
II.
音楽を選択することが逸脱になるかならないか、という基準。
ヴェーベルンは音楽「学」を修めた点で異色だ。ただしその後のキャリアにおいては葛藤は大きかった。
ロマン派の作曲家の多くは逸脱だろう(ベルリオーズ、シューマン ... )アマチュアであった点が、ロマン派の特徴の一つではないか。
だが、そのかわり、逸脱は自由を、新しさを可能にする。まずもって技術的な次元で。
外部の人間にとって、技術的な問題というのは、ある意味では常に存在する。ヴェーベルンだけに固有ではない。
わかりやすさ、というのは別の問題だ。
いずれにせよ、外部の人間には近づくことが困難な側面というものが存在する。
だが、伝統的な型とはことなる論理、特に数理的な秩序に支えられているとしたら、相対的にはアクセスしやすい。(例えばクセナキス。)
(2002--2007.6.14, 2024.9.1 noteにて公開)