見出し画像

追伸、月子です。〜意識の向こうへ〜No.5

はじめまして!の未知なるものに惹かれていた。

その名を【 意識療法 】と呼ぶらしい。

月子は、この聞いたことのない見知らぬものに 興味津々だった。
カメハメ波的な手法のようなものを はたまた魔術のようなものを想像してみたり 施術される者は 目ん玉剥き出しで覚醒してしまうような 超人的な現象を期待していた。

友人の冥子は 当時 掛け持ちしていた仕事先でお世話になったおじちゃんから一枚の名刺を受け取った という。聞くと 奥さんがマッサージ屋さんをしているそうだ。

何かあるかもしれないと思い 捨てず取っておいた名刺は1年間 冥子のもとで温められていた。 気になりながらも なかなか行けずじまいだったが、今回念願の予約にこぎついたという。冥子は 胸を高ぶらせながらその日を待ち望んでいた。

月子は思い切って 聞いてみることにした。

「 ついてって観察しとってもええ? 」

冥子の返事はあっさりとしていて 瞬く間に月子は冥子のお供をすることに決まった。

予約当日。
月子は はりきって朝7時に家を出て コンビニで梅おかかおにぎりとニンニクたっぷりタレの味玉にかぶりついてから 冥子と合流した。

懐かしい道のりを冥子の車が マイペースに走る。

到着したのは9時前。
最寄りのスペースに車を停めた後 2人はかるく歩きだした。月子はそのとき 左腕に集まる小さな無数の粒子のような ビリビリとしたものを感じていた。

冥子は名刺の人物に電話をかけた。
どうやら出口が反対だったようである。冥子の後ろを続いて歩いている月子と一緒に 左腕のビリビリしたものも同じように行く。

と、民家の庭先を抜けて ご婦人が出迎えにきてくれた。
そう、この どこにでもいそうなおばちゃん( 失敬!)こそが今回 月子を不思議な体験へと導いていく人物なのである。

宵のマリー☪

いいなと思ったら応援しよう!