追伸、月子です。〜夢のなかの声〜 No.3
〚 深いところに いきなさい。〛
ハッ!!として目が覚めた。
いや、正確にいうと 目は覚めていない。
いや、目が覚めていないようで 実は覚めているのかもしれない。
肉体は寝ているが 意識は起きている ような感じ。
目に見える世界と 目に見えない世界 のちょうど狭間にいるような そんな感じにも思える。
この声は 誰の声だろう
深いところ ってどこだろう
と ぼんやりと からだに尋ねている自分がいた。
【 ワダツミ 】
これは直感なのか 何者かに届けられたメッセージなのか どこかからのレスポンスらしきものが瞬時にやってきた。
ワダツミ といえば、昨日 なんの気なしに出逢ったワードだ。不可解にも 月子は 海の神さま のことを何も知らない。
ただ なぜだかわからない。
その声の主は ワダツミ だと からだが反応している。
【 深いところ 奥のほう ずっとずっと奥のほう】
どこからともなくまた レスポンスらしきもの。
心 魂 腹のうち 見て見ぬふりしていたもの 隠れている気持ち 私がまだ気づいていない何か 忘れてしまったもの 可能性
言語化すると そのようなものが浮かび上がってくる。
月子は集中する。
からだ全体の矢印を 内へ内へと向ける。
深ああああ愛あいところ。
深ああああ愛あいところ。
いわばそこは 無。
そして 心地よさであり 気持ちよさ。
どこか懐かしさもあり ヒカリのマル のようである。