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結局、運動会のレンズ選びはどうすればいいのか?(決断編)

◆なんとなくで望遠レンズを買う前に!確認できることがある。

前回は学校行事のレンズ選び失敗談について書きました。

今回は過去の反省を活かして、より具体的なレンズ選びのアイデアを紹介したいと思います。

◆運動会レンズ選びのチェックポイント

まずは以下の点をチェックしてみて下さい。

【重要項目】
①校庭の広さ
③撮影者は移動可能か?
②子どもの位置
→①〜③を使っての計算!

【その他の項目】
④三脚、一脚は使えるか?
⑤現場で“浮いちゃう”覚悟はあるか?

順に解説していきます。


①校庭の広さ

撮影現場の事前リサーチは重要です。わずかな手間で「こんなはずじゃなかった!」を大幅に減らすことができるのでオススメです。その第一歩は校庭の広さを具体的に知ることです。

まずはグーグルマップを開き、お子さんの学校の上空写真を表示します。

次に校庭外側を仮想の撮影ポイントとし、そこを起点に右クリックすると出てくる「距離計測」機能を使って、縦、横、対角線、グランド中心など、撮影ポイントからの距離を色々と測ってみましょう。

以下に例を出しますが、実在する学校の上空写真を使うと色々とよろしくない感じがしたので、公共の公園で説明していきます。

今回は公園の野球グラウンドで説明します。
例えばバッターボックス裏からマウンドまでは約20m。


2塁までで36m。結構遠いですね。
わが子が外野だと50m越えになりそうです。

この距離感がとても重要です。これによって撮影の最大距離を知ることができるのです。


②撮影者は移動可能か?


バッターボックス裏からだと2塁まで36mですが、


自分が1塁の横まで移動できるなら、距離は25mになります。


この視点も重要です。もし自分が撮影ポイントを自由に移動できるなら、撮影における最大距離を短くすることができます。それは結果的に必要な焦点距離が小さくなることを意味しています。逆に撮影ポイントが限定されている場合はレンズの焦点距離の範囲を広げる必要性が出てきます。


③子どもの位置


向きは大事です。
徒競走は分かりやすいけど、ダンスの向きは難しい。
(焦点距離310㎜、距離約20m)


もしも可能であれば、子どもの演目ごとの立ち位置、走るレーンの位置を目標にし、撮影ポイントからの距離を確認しましょう。その際、場所だけでなく、体の向きを知ることも重要です。近いと思ったら見えるのは後ろ姿だけだった…なんてことがないように注意しましょう。


 →①〜③を使っての計算!

①〜③を確認すると、どのくらい離れた距離から我が子を撮影するのか、具体的にメートル単位でわかってきたと思います。

そしたら次に、カシオ計算機(株)が提供している下記サイトで必要な焦点距離を計算します。(登録等不要。もちろん無料です。)

被写体との距離は先ほど測った各種距離を。
被写体サイズは目安としてお子さんの身長を入力して計算します。(上半身アップの写真が撮りたいなら身長の半分の数値を入れてみましょう)

すると、35㎜フルサイズセンサーの場合、距離20mで身長1.2mの我が子の全身を横長フレームの縦いっぱいで撮ろうとすると、必要な焦点距離は400㎜だと判明するのです!

いろんな条件で計算してみましょう。


この時点で僕は思いました。
「事前に想定していたより必要な焦点距離が大きいな…」

その一方で、過去に失敗した理由も腑に落ちました。10m以上離れる行事だと、焦点距離200㎜では、こどものアップの写真を撮るのは結構難しい計算になります。

対策としてはフルサイズならクロップ機能の活用。カメラボディから選べるならセンサーサイズの小さいものを検討するのもひとつの手でしょう。高画素機ならあとでトリミングする!と割り切るのも全然OKだと思います。

また焦点距離が大きいと、近くの被写体が撮れない点にも注意が必要です。

こどもの立ち位置が校庭中心付近とかだと、
超望遠にせざるを得ない。
(焦点距離560㎜、距離約30m)

④三脚、一脚は使える?

超望遠レンズは焦点距離が大きくなるにつれ、撮影条件が徐々に厳しくなり、手持ち撮影が辛くなってきます。もしも三脚・一脚持ち込みNGの場合は、自分が手持ち撮影で対応できる最大焦点距離を確認する必要があります。

私の場合、現代の強力な手ぶれ補正機能を持ってしても、焦点距離600㎜になると手持ちはやや厳しいなぁ…という感覚が湧きました。


⑤現場で“浮いちゃう”覚悟はあるか?

いざ運動会に行くと分かりますが、一眼レフやミラーレスを持ち込むパパ・ママは決して多数派ではありません。望遠レンズならば、なおさらです。高速連写でもしようものなら嫌でも目立ってしまうでしょう。ただ、これは慣れの問題です。周囲の人はカメラ機材の本気度に多少戸惑うものの、本質的には興味が無いので、運動会が終われば何事もない日常が待っています。

写真は好きだけど、自覚としてはライト層です。ですが世の中的には十分「本気な人」に見えてます。たぶん…。
(スマホで撮影)

むしろ、注意すべきは家族の反応です。もしも我が子が「恥ずかしいから、大きいカメラ持ってこないで」的な状況だとすると、本番でカメラを向けても笑顔が返ってこない恐れがあります。

※運動会当日、わが子は「うちのパパは、カメラがデカい!」と発言していました。うん、それはそれで恥ずかしかったよ…。


◆最終的に選んだレンズ

以上を踏まえ、最終的には、

TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A067)
を選びました。

焦点距離400㎜で、今年の運動会は焦らず撮影できました。
(焦点距離340㎜、距離約20m)


一時的にクロップも活用しながら、アップも撮影できました。
(焦点距離374㎜、距離約20m)

決め手はテレ端400mm、クロップ活用で自身の手持ち限界の600㎜までいけること。ワイド端50㎜で寄れること。などです。重さは、それなりに重いですが…スペックに対しては納得できるので我慢です。

焦点距離50㎜ 個人的にはいつものファインダーの感覚。
同じ場所から、焦点距離400㎜で。
もはや肉眼より精細に見えるので、望遠鏡みたいな感覚です。

◆最後に、レンズ選びよりもっと大事なこと

いろいろと書いてきましたが、運動会は究極的には子どもの成長や頑張りを、見守り、応援し、祝福する場だと思っています。

撮影ばかりに夢中になって周囲に迷惑をかけないよう気をつける事はもちろん、我が子に声援を送ったり、コミュニケーションをとることも忘れずにいたいですね。運動会が素敵な思い出になるように、撮影も応援も頑張りましょう!

◆オマケの話


望遠を買うと学校行事だけでなく、休日のお出かけも楽しくなりました!望遠レンズ、「あり」かも…。(重さは我慢)

望遠レンズは動物園との相性がいいです。(距離約5m?焦点距離362㎜)
月の写真とかも盛り上がれるかも。
(焦点距離400mmで撮影後にトリミング)

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