公平不公平
彼らは三姉妹を別け隔てなく公平に育てたと思っているらしい。
当の本人は日々不公平だと感じていたが…
妹がどう思っていたかは知らない。
少なくとも私はそう感じていた。
でもずっと我慢していた。
父に意見するなんて恐ろしくて気軽にできるわけがなかった。
でもある日突然、やはり解せないと思った。
だから勇気を振り絞って
「不公平だ!」
と訴えた。
そしたら父がものすごい剣幕でキレた。
「そんなことはない!公平だ!」
と大声で怒鳴った。
幼い私は恐怖におののいた。
いつも通り母も助けてはくれない。
いつだって親が正解で私は間違っている。
理不尽だった。
悔しかった。
悲しかった。
明らかに扱いが違うのに…
絶対におかしい。
私はたくさん手伝わされるのに、妹たちにはそうでもない。私の言動にはとても厳しいのに、妹たちにはそうでもない。
最初はまだ小さいから、あの子たちも私と同い年になったら同じようにやってもらうと言っていたけど、それも嘘だった。
最悪、扱いが不公平だったとしても、それを親が認めてくれたら、まだ救いようがあったけれど…
彼らは一切認めなかった。
だから私は全ての感情を無理矢理抑えつけて飲み込むしかなかった。
そういうことがとてもとても苦しかった。
悲しかった…
私の感情は取り扱ってもらえなかった。
口では大切な娘だといいながら
私の素直な感情は大切にしない。
彼らにとって不都合なことは認めないし、受け取る気もない。
そういうところがとてもとても嫌だった。
でも幼い私は嫌だと思った気持ちすら封印した。
これからは彼らの気に入る言葉しか発しないようにしなくてはとまた努力を重ねた。
どれだけ黒いものも彼らが白と言ったら白くなる。
私はどんどん自由に発言できなくなっていった…二面性のある小賢しい子どもにならざるを得なかった。
私は無邪気な子ども時代を過ごせなかった。
私の純真無垢な感情を返せ。