小さな幸せを見失わないように
先月、彼と付き合い始めて半年になった。
早かったような、遅かったような。
半年の間で、直接彼と会えたのは数えられるほどしかない。多くて月2回。
会えるだけマシだよと友達には言われる。近距離と呼ぶには遠すぎて、遠距離と呼ぶには近い、微妙な距離だ。頑張れば会いに行ける距離。
同じ県内に住んでいるが、お互いが県の端っこに住んでいるため、会う時は
ほとんど県外の人の感覚だ。
クリスマスプレゼントをくれなかった彼は、相変わらずホワイトデーのお返しもなかった。手作りをくれるって話もなくなって、市販もなく、少し寂しかった。
彼からもらったことあるものとすれば、付き合う前にもらった誕生日プレゼントだけだ。もらったなら必ず返せと言っているわけではない。ただ、なんとなく寂しいと感じるのは、私のために選んでくれる、時間を割いてくれる、悩んでくれることはないんだなと考えてしまうから。
悲しいことだけではない。それは確かで、私のことを想ってくれていることも知っている。ちょっとしたすれ違いで、大きな溝が空いてしまうような、そんな不安に駆られてしまう。
最近になって、彼が変わったことがある。
コーヒーが好きな彼は、よくコーヒーが飲みたいと言っていたし、私の前でもよく飲んでいた。そんな彼が私とデート中はコーヒーを飲まなくなった。飲むとしても別れ際にコンビニに買いに行くとかその程度。「コーヒー飲まなくていいの?」と聞くと、「いいよ」と言って、ミルクティーを選ぶ。
実は、私はコーヒーが飲めない。と、いってもすべてが飲めないわけではない。砂糖とミルクが入った甘いものやカフェラテは飲める。
彼はブラック派で。キスした時にコーヒーの味が残っていることもあって今までは少し苦手だなと思っていた。いつだったか彼に話したことがある気がする。気づいたときには、あまり飲まなくなっていた。
私もいつかコーヒーの味をおいしいと思う時が来るのか、わからないが、一緒に楽しんでみたいとも思う。
もう一つは、彼が運転する車に乗せてくれるようになったことだ。いつもなら、駅で待ち合わせるか、私が車を出していた。
彼の運転する車に乗ってみたいと何度も言っていたら、乗せてくれるようになった。彼の車というよりかは、実家の車を借りて、乗せてくれたという感じ。初めて乗った時は、わくわくしたけど、自然と既視感があった。友達にもたまに乗せてもらうことがあったからそのせいかなと思いながら。
彼は、少し緊張していたみたいだ。安全運転をしてくれた。
今は、少しすれ違い中だ。原因は、彼の就職難航。応援しているけど、なかなか行動に移してくれない彼に少し嫌気がさしてしまう。もっとどっしりと構えていたかったが、心に余裕が持てそうにない。
嫌いになりたいわけでもない、離れたいわけでもない。でも、未来を考えてくれるなら、それ相応の態度を、行動を見せてほしいと思ってしまう。
どんどん大人になっていくにつれて、結婚や同棲の話が増えてくる。
気にしてないふりをしていても、心の置き所が難しい。
未来も彼の側にいられるのか、あまり自信がない。でも、居たい。
彼にしてもらえなかったことより、してもらったことに目を向けたい。
彼のいいところをたくさん言えるようにしたい。彼を肯定したい。
私は彼に何ができるか。これからもそばにいるならば。
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