迷惑メールに入っていました
迷惑メールボックスを、日に2、3度は確認している。
大切なメールがまぎれこんだまま1週間気がつかなかったことがあって、用心しているのだ。
「迷惑メールに入っていました」とは、とても言えなかった。
大切な相手だったこともあって心臓が凍ったが、私はきっとどんな人にも「すみません、迷惑メールに入ってて気がつかなくて」なんて言えない。
たまに言われることも、誰かが言っているのを聞くこともあるが、他人事でも猛烈にドキドキする。
玄関のドアから見知らぬ人が入ってきて、大声でしゃべり始めるような衝撃がある。
私はメールのマナーをよく知らないし、「迷惑メールに入っていました」は問題ないのかもしれない。
けれど怖い。
言われてもびっくりするが、自分の口から音にして出せる気もしない。
だからまるで戸締りのように、迷惑メールを確認している。
うっかり開いた扉の中に土足で踏み込まないように。
ここは空っぽでいいとつぶやきながら、そっと受信トレイにメールを戻す。
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