【連載小説⑩】夫からの着信
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夫からの着信に気がついたのは、アウトレットモールの駐車場に車を停めたときだった。予想以上に早い連絡に心臓が跳ねるのを感じながら、それでも家を出てまだ2日。事務的な連絡なら別居に触れずに話ができるかもしれない。
そう判断して電話に出ると、慌てたような間があり「ダスキンモップの交換が来てて…」と夫のうわずった声が聞こえた。
集金に来ているなら2,000円の使用料を支払い、今後必要ないならストップするように伝える。
「必要ないっていうのは…」と言い淀んでい