服とはちょっと、距離を置いた
服選びが苦手だと気がついたのは最近だ。
似合う服を着ていたかったし、すてきな服に出会うとうれしかった。
嫌いなわけではない。
ただものすごく消耗していた。
情報を集めて、探しに出かけて、あちこちのお店で試着する。
気に入ったものが見つかっても、かけた労力に全然見合っていない気がした。
悩むのをやめて、1年たつ。
仕事用の服と、普段着を買うブランドをそれぞれひとつずつ決めた。
ベーシックなものはそこで揃え、季節や流行のものはレンタルにした。
着ないのに処分できずにいた服は、思い切って捨てた。
ワードローブに残った服は、どれも体になじんでいる。
古くなったら似たものを買い直し、クローゼットの中身は増やさない。
フランス人は10着しか服を持たないとか以前はやったけれど、そこまで極端ではなくても、こういうことかと思う。
毎日が減った洋服の分だけ軽くて、風通しがいい。
女だからファッションには興味持たなきゃとか、重かったのは服じゃなくて自分の思い込みだった。
らしくあること、すてきであることをあきらめなくても、解放されてよかったんだと思っている。
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