旅は終わってからも心を満たし、新たな意味を与えてくれる
突然、過去の旅の場面や瞬間を思い出す④
数年前、マレーシアのとある小さな島で猿と本気の喧嘩をしたことがある。
奴らはすぐ盗む、空腹だと凶暴さは増し、なんでもおかまいなし。
そして頭がいいし、すごく器用で身体能力が高い。
だから争うことはオススメしない。
が、しかし、海で泳いでいる間に、財布とiPodを盗まれたことがあり、私は戦った。
何に一番驚いたかというと、木の上へ逃げた奴は財布(といっても海へ行く時用の少しのお札と小銭だけが入った小さなポーチ)からお札を取り出して一枚一枚数えて(!)ポイと木の下へ投げたこと!
なんて器用!
勿論、彼らはお金には興味ないよね、食べられないからね。
この件を現地で仲良くなった宿の皆に話したら、
「そのうち猿が買物にいってたべものを買う日も近い」と笑いあった。
その宿にも猿らはちょくちょくやってきては獲物に鋭く目を光らせていた。
私の他にもいた長期滞在者たちの猿対策はバッチリでも、短期滞在の人は置いちゃうよね。(よくキャーと叫んでいた)
それに普段は神経質に気をつけている私でも、鍵を探している間にうっかりドアの横のテーブルにおいたバナナ(なんと奴らの好物か!)を瞬時に持っていかれるという神業を披露してもらったこともある。(悔しい)
その小さな島で、濃い熱帯植物を眺めながら、iPodを聴き大声で歌いながらの散歩が好きだったなぁ。朝も気持ちいいし、泳いだあとの遅めの午後も気持ちいい。それぞれの時間帯の色たちがグラデーションとなり、キラキラと変化する。
私に必要不可欠な愛しく偉大な海と森。それが両方ある島が私は大好き。国内外の島々、どこに行ってもそれぞれの個性、豊かな自然のナチュラルアートの癒しといったら、もう。。
あぁ、こういう旅の想い出は、今の閉塞的になりがちな私の心を癒やす。
のどかな旅先での時間はその時も嬉しいし、そこから離れても癒やされるものだ。
今これまでの旅の様々なシーンを思い巡らすと、自分にとっての価値観というものへの影響を強く感じる。
少し経ってから振り返った時に気がつくこと、その時と今の変化からまた新たな観点もうまれるし、その経験から育っているものごと、懐かしい人達への想い、etc。
これまでのような旅の経験を同じようにできる日はすぐには来ないだろう。もう同じようには、ないな。新しいスタイルやシステムになるだろう。
しかし、
常に今の状況や環境で見出すこと、変わっていくこと、受け入れること、働きかけていくこと。
大なり小なり、そのスパンも長いか短いか、生きていればその繰り返し。
それにしても、今回はインパクトがでかい。
ウイルスの脅威、何が自分に合ったライフスタイルなのか、そして自分の幸せを感じる要素はなんなのか?
いろいろ知る気がつく機会。
そう、全ては機会。