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オーラルフレイルと歌うたいの特訓 ~巻き舌までの遠い道のり


最近、フレイルという言葉についての記事を、いくつか拝見していた。


自らについて、他の人から「老化」とか「衰え」とか言われるのは、自分なら脊髄反射はしないにせよ、やっぱりこっそり傷つく。
なので、日本人にとってはこの意味の言葉、外来語のほうが耳に柔らかいからベターかな、さりとてこの言葉の認知度が低いよな、と思っていたところに、まず北欧で働く理学療法士のRYOKOさんの、以下のような記事を。

ふむふむ、「フレイルは生きた証」か。こう言われたなら自分は悪い気はしない。こう言われたら、フレイルの意味がよくわからない人にも、その時間を重ねた結果というニュアンスは伝わるかもだし。


自分も、「五十肩は生きた証」「下腹部の脂肪は生きた証」、などとこいつを応用していこうな。などと、くだらないことを考えつつ、次の記事でまたひらめきを得たのである。


介護食のプロ、中島洋二郎さんの記事を読んでいて、

意味合い的には口腔機能がフレイルになるという事ですから噛む事を含めた「食べる、飲み込む」や話す機能も含めた口周りの機能がフレイル状態になる事を指すようです。
オーラルフレイルかどうかを判断するチェック項目が読んだ記事に掲載されていましたので、参考までに転載します。

□ 自分の歯の数が19本以下(差し歯や金属をかぶせた歯は自分の歯として数え、インプラントは自分の歯として数えない)
□ 半年前に比べて固いものが食べにくくなった
□ お茶や汁物などでむせる事がある
□ 口の渇きが気になる
□ 普段の会話で言葉をはっきり発音できないことがある

この5つの項目に2つ以上チェックが入るとオーラルフレイルとの事なのですが、3番目の「お茶や汁物でむせる事がある」などは、むせた事が無い人を探す方が難しいと思いますので、むせる頻度が高い自覚があるかどうかという事なのでしょうね。

なるほどなるほど


たぶん、たくさん喋る人なら自然とリハビリ効果をゲットしているのだろうけど、こちとら学校で教えるときにはその時間内は結構喋るものの(それも非常勤稼業である)、それ以外の現場作業は実働社員1名(つまり自分だ)、協力業者さんがいる現場ならばちょっとマシになるものの、一日の会話時間としてはかなりおぼつかない。

よく、口の中を噛んで口内炎を作成していることも、もしかしたらオーラルフレイルの門を叩いているせいなのかも知れぬ。

そしてその記事に、言語聴覚士さんがやる、嚥下体操の話があったのである。詳しく知らないのでグーグル先生に頼ると。

 嚥下体操は嚥下に関わる首や肩、胸郭、口腔器官の運動を行い、嚥下を行いやすくするための体操です。

a,おなかに手をあてて、おなかが膨らむように鼻から吸って、おなかがへこむようにゆっくり口から吐く深呼吸を数回繰り返す
b,首を回す
c,首を左右に倒す
d,肩を上げ下げする
e,両手をあげて軽く背伸びをする
f,頬を膨らませたりすぼめたり2~3回繰り返す
g,舌を左右の口角を触れる(2~3回繰り返す)
h,息がのどに当たるように強くすって止め、三つ数えて吐く
i、「パパパ、ラララ、カカカカ」とゆっくり言う
j、aの深呼吸を数回繰り返す

 

おおお。これは。

学生服を来ていた時分に胡散臭い動きのヒロトに産湯を浸かり、その後も福岡産の歌舞伎町の女王、林檎嬢のハスキーボイスにやられてあれは矢井田瞳とは全く格が違うのだと熱く語りながら育った自分である。巻き舌ボーカル大好きらしい。そして大学では音楽サークルでちょこっと歌ったりもしたが、致命的なことに巻き舌が出来ない。
なので、Too Late To Die♫とか、嗚呼やられたり~やられたり~♪、などと、気分良く満足の行く出来では歌えない。車の中で独唱する際も、ひたすら残念な気分になるだけであった。

なので、巻き舌訓練なるものを、今でもふと思いつくと運転しながらやっているのであるが、自分は今ここにそれがフレイル対策でもあるという学びを得たのである。


巻き舌トレーニングにはその手法もいくつかあり、シンプルなものだと、先の嚥下体操の中にあった、ラ行を繰り返すフレーズとか、もっと進化するとアラアラアラ、とかトゥラトゥラトゥラとか、そういうのをひたすらやってみる、みたいなもの。
でも、それはつまらんな、ということで自分が使っている巻き舌練習フレーズの中の王道みたいなものが、

サッポロラーメントロロイモ

なのである。その辺、こちら記事が詳しかったので貼ってみる。

奥が深い・・・でも、声楽家でも出来るまで5年かかったという人もいる。それだけ掴むのが大変なのだろう。でも、これについては、努力は裏切らないと自分も感じている。

自分も「札幌ラーメンとろろ芋」と怪しくぶつぶつ呟くことを、現場往復の車内でここ5年くらいやっていると思うのだが、ようやく、サッカーの応援ではちょこっと巻き舌が出来るようになっていることを発見した。チーム名にラ行が入っているのが好都合であった。きちんと巻けると戦闘開始な気分もアガるもので、なかなかいい。

あれは全開で声を出すので、巻き舌には腹式呼吸による声量というか風量も必要なのだ、という学びを得たところだが、日々の札幌ラーメン訓練も少しは役に立っていたはずである。


なので、たとえばデイサービスでも、オーラルフレイルなどという言葉を使わずとも、「八代亜紀をバッチリ歌えるようになろうぜ」とでも言いながら巻き舌訓練をやると、みなさん気分良く舟唄を歌ったり出来るようになり、食べること話すことだけでなく、歌うことによってもQOLの向上に役立つのではなかろうか。
なので、ユニバーサルオーラルフレイル訓練としての巻き舌トレーニングを、自分はここに推奨するものである。


でも、車の中で歌を歌うときはヴォリューム控えめ、でもそれではやっぱりちゃんと巻けない。まだ自分は吐息の勢い頼りなのだ。
なので、より効率の良い巻き舌を目指すべく、未だに現場帰りの車で思い出しては「サッポロラーメントロロイモ」を継続しているのであった。税士なんてついてない後園~♫、と、綺麗に巻いて歌える日を夢見つつ。


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てすり屋のひとりごと 橋本 洋一郎(合同会社 湘南改造家)
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