オーラルフレイルと歌うたいの特訓 ~巻き舌までの遠い道のり
最近、フレイルという言葉についての記事を、いくつか拝見していた。
自らについて、他の人から「老化」とか「衰え」とか言われるのは、自分なら脊髄反射はしないにせよ、やっぱりこっそり傷つく。
なので、日本人にとってはこの意味の言葉、外来語のほうが耳に柔らかいからベターかな、さりとてこの言葉の認知度が低いよな、と思っていたところに、まず北欧で働く理学療法士のRYOKOさんの、以下のような記事を。
ふむふむ、「フレイルは生きた証」か。こう言われたなら自分は悪い気はしない。こう言われたら、フレイルの意味がよくわからない人にも、その時間を重ねた結果というニュアンスは伝わるかもだし。
自分も、「五十肩は生きた証」「下腹部の脂肪は生きた証」、などとこいつを応用していこうな。などと、くだらないことを考えつつ、次の記事でまたひらめきを得たのである。
介護食のプロ、中島洋二郎さんの記事を読んでいて、
たぶん、たくさん喋る人なら自然とリハビリ効果をゲットしているのだろうけど、こちとら学校で教えるときにはその時間内は結構喋るものの(それも非常勤稼業である)、それ以外の現場作業は実働社員1名(つまり自分だ)、協力業者さんがいる現場ならばちょっとマシになるものの、一日の会話時間としてはかなりおぼつかない。
よく、口の中を噛んで口内炎を作成していることも、もしかしたらオーラルフレイルの門を叩いているせいなのかも知れぬ。
そしてその記事に、言語聴覚士さんがやる、嚥下体操の話があったのである。詳しく知らないのでグーグル先生に頼ると。
おおお。これは。
学生服を来ていた時分に胡散臭い動きのヒロトに産湯を浸かり、その後も福岡産の歌舞伎町の女王、林檎嬢のハスキーボイスにやられてあれは矢井田瞳とは全く格が違うのだと熱く語りながら育った自分である。巻き舌ボーカル大好きらしい。そして大学では音楽サークルでちょこっと歌ったりもしたが、致命的なことに巻き舌が出来ない。
なので、Too Late To Die♫とか、嗚呼やられたり~やられたり~♪、などと、気分良く満足の行く出来では歌えない。車の中で独唱する際も、ひたすら残念な気分になるだけであった。
なので、巻き舌訓練なるものを、今でもふと思いつくと運転しながらやっているのであるが、自分は今ここにそれがフレイル対策でもあるという学びを得たのである。
巻き舌トレーニングにはその手法もいくつかあり、シンプルなものだと、先の嚥下体操の中にあった、ラ行を繰り返すフレーズとか、もっと進化するとアラアラアラ、とかトゥラトゥラトゥラとか、そういうのをひたすらやってみる、みたいなもの。
でも、それはつまらんな、ということで自分が使っている巻き舌練習フレーズの中の王道みたいなものが、
「サッポロラーメントロロイモ」
なのである。その辺、こちら記事が詳しかったので貼ってみる。
奥が深い・・・でも、声楽家でも出来るまで5年かかったという人もいる。それだけ掴むのが大変なのだろう。でも、これについては、努力は裏切らないと自分も感じている。
自分も「札幌ラーメンとろろ芋」と怪しくぶつぶつ呟くことを、現場往復の車内でここ5年くらいやっていると思うのだが、ようやく、サッカーの応援ではちょこっと巻き舌が出来るようになっていることを発見した。チーム名にラ行が入っているのが好都合であった。きちんと巻けると戦闘開始な気分もアガるもので、なかなかいい。
あれは全開で声を出すので、巻き舌には腹式呼吸による声量というか風量も必要なのだ、という学びを得たところだが、日々の札幌ラーメン訓練も少しは役に立っていたはずである。
なので、たとえばデイサービスでも、オーラルフレイルなどという言葉を使わずとも、「八代亜紀をバッチリ歌えるようになろうぜ」とでも言いながら巻き舌訓練をやると、みなさん気分良く舟唄を歌ったり出来るようになり、食べること話すことだけでなく、歌うことによってもQOLの向上に役立つのではなかろうか。
なので、ユニバーサルオーラルフレイル訓練としての巻き舌トレーニングを、自分はここに推奨するものである。
でも、車の中で歌を歌うときはヴォリューム控えめ、でもそれではやっぱりちゃんと巻けない。まだ自分は吐息の勢い頼りなのだ。
なので、より効率の良い巻き舌を目指すべく、未だに現場帰りの車で思い出しては「サッポロラーメントロロイモ」を継続しているのであった。税理士なんてついてない後楽園~♫、と、綺麗に巻いて歌える日を夢見つつ。