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はじめに
情報発信を始めた経緯
いつの間にか医師歴が30年を超えるようになり、後輩の指導や社会に向けて啓発する仕事が増えています。講義や講演のスライドを沢山作ってきましたが、せっかく作ったのに、1回講義をしてお蔵入りになっているのは勿体ないものです。
また、患者さんや家族に質問された際、言葉で伝えるより、ネットで公開されている資料を見てもらった方が良いことがあります。その場で、検索しても、すぐには出て来ず、もどかしい思いをすることがあるので、リンク集や私が作った資料をネットで公開しておけば便利です。
アルコール依存症や飲酒問題に関連するニュースが出るとメディアの取材が来ます。まだまだ誤解と偏見が多いので、なるべく対応しています。しかし、私が情報を発信したい話題とタイミングで取材に来てくれるとは限りません。
なので、コツコツと継続して、いざという時に機会を逃さず、能動的に情報発信をしたいと思っていたものの、多忙を理由にして、実践できていませんでした。
2021年1月、青春出版社から「アルコールの害と禁酒の効果、適度な飲酒量に抑える方法、誰にでもできる効果的な禁酒の方法、そしてアルコール依存症という病気の実際について啓発する本を書いてみませんか?」という御提案をいただきました。
専門誌への寄稿や、専門書の分担執筆の経験はあっても、一般向けの啓発書で、しかも単著(1冊全部を1人で書くこと)は初めての経験でしたが、良い機会だと考え、お引き受けしました。
コロナ禍に重なったことでの苦労も色々ありましたが、12月、『「そろそろ、お酒やめようかな」と思ったときに読む本』(青春出版社)というタイトルで出版にこぎつけました。
日本にはアルコール依存症に苦しむ人が100万人。依存症には至っていないが、飲酒問題を持続的に抱えている人は1000万人近いという推計もありますので、必要とする1人でも多くの方に届くことを祈念しました。
出版後、6か月で、第6刷に達し、予想を大きく上回る売れ行きとなっています。
「禁酒しなければ駄目だと思っていながら、ズルズルと飲み続けていた。この本を読んで、自分でも驚くほどすんなりとあまり苦痛を感じることなく断酒ができた」といったレビューを多くの方からいただきました。読んだことがきっかけで受診される方もいます。
改めて、必要としている人に、相応しい情報を届ける価値を強く感じています。
書籍には紙幅の関係で書けなかったこと、書籍として出版する程のボリュームはないが、必要なこと、日々、アップデートされる情報もありますので、これを機に、noteでの発信を始めることにした次第です。
依存症を中心に、関連する領域まで、なるべく幅広い情報を発信できればと考えています。
多少なりとも、お役に立てれば幸甚です。
2021年7月吉日
略歴
出身地
兵庫県神戸市
学歴
1984年 県立兵庫高等学校卒業
1990年 筑波大学医学専門学群卒業
1994年 同大学院博士課程修了(環境生態系 精神保健専攻)
現職
医療法人社団翠会 成増厚生病院 副院長
東京アルコール医療総合センター(同院内にあるアルコール依存症治療病棟) センター長
資格
医学博士
日本精神神経学会 専門医・指導医
厚労省 精神保健指定医