2025年度 大学入学共通テスト(情報Ⅰ)第2問A 解説

解説は筆者によるものです。問題文については大学入試センターおよび新聞社が公表している情報を参照してください。


問1 [アイウ]

時間帯ごとの総売上額(消費税込)・・・個々の顧客の購入時刻と合計金額で分析をするから[ア]の解答は⑤
曜日別の各商品の購買の状況・・・購入日・曜日のほか、何を買ったか(商品コード・商品名)とそれぞれ何個買ったかが必要なので[イ][ウ]の解答は③④(順不同)

問2[エ]

ポイント会員情報とレシートに印字されている情報を組み合わせて分析・・・購入した理由についてはわからないので⓪が正解
① 同じ顧客に,繰り返し購入される傾向がある商品・・・会員情報と商品コード・商品名・個数および購入日で分析できる。
② ある商品を多く購入している顧客の年齢層・・・会員情報には生年が含まれるので、会員情報と商品コード・商品名および個数で分析できる。
③年齢や性別の違いによる,来店する時間帯の傾向・・・会員情報には生年と性別が含まれるので、会員情報と購入時刻で分析できる。

問3[オ]

出典:2025年度大学入学共通テスト 情報Ⅰ 第2問 問3

[オ]は、(あ)~(う)のやりとりにLikeWingの店舗を識別する「店コード」が必須であるかを考えればよい。
(あ)本部から配送センターに送る配送情報:どの店に配送するのかを連絡する必要があるので、「店コード」は必要。
(い)店舗から本部に送る売上・購買情報:本部には複数の店舗からの情報が集まってくる。それぞれがどこからの情報であるかを識別する必要があるので「店コード」は必要。
(う)顧客から店舗に提示する顧客情報(ポイントカード):提示を受けた店舗はすでに自分の店舗の店コードを知っているので、わざわざ顧客から「店コード」を教えてもらう必要は無い。
正解は③。

問3[カ]

[カ]は、(あ)~(う)のやりとりに顧客を識別する「ポイント会員ID」が必須であるかを考えればよい。
(あ)本部から配送センターに送る配送情報:配送センターは購入者の情報を知る必要は無いので不必要。
(い)店舗から本部に送る売上・購買情報:問題文に「ポイント会員情報とレシートに印字されている情報は,LikeWingの本部の情報システムで一括して管理しています」と書いてあるので、店舗から本部に送信する必要がある。
(う)顧客から店舗に提示する顧客情報(ポイントカード):顧客が提示するカードに当然ポイント会員IDが含まれる。
正解は⑤。

問4[キ]

LikeWingのネットショッピングサイトと本部の情報システムの連携によるメリットを考える問題。

Ⅰ:顧客がネットショッピングサイトにログインしたときに現在のポイントカードのポイント数と自宅に近い実店舗の広告チラシが自動的に表示される。

(あ)ポイント会員IDとネットショッピングのアカウントが対応付けられている
→ネットショッピングサイトにポイントカードのポイント数を表示するためには、ポイント会員IDの紐づけが必要。

(い)ネットショッピングで扱われている商品に実店舗で用いられている商
品コードが割り当てられている。
→Ⅰのメリットとは無関係。

(う)商品コードと店コードから実店舗における商品の在庫数を調べること
ができる。
→Ⅰのメリットとは無関係。
正解は⓪(あ)のみ。

問4[ク]

顧客がネットショッピングで商品を購入しようとするときその顧客がポイントカードをよく利用する実店舗のうちで,その商品の在庫がある実店舗の情報が表示される。

(あ)ポイント会員IDとネットショッピングのアカウントが対応付けられている
→ネットショッピングサイトにポイントカードをよく利用する実店舗を表示するためには、実店舗とショッピングサイト利用時の会員情報は同じである必要があるから、必要。

(い)ネットショッピングで扱われている商品に実店舗で用いられている商
品コードが割り当てられている。
→実店舗とネットショッピングサイトのある商品の在庫を調べるためには、共通の商品コードを用いて、同じ商品の在庫を調べなければならないので、必要。

(う)商品コードと店コードから実店舗における商品の在庫数を調べること
ができる。
→「顧客がポイントカードをよく利用する実店舗」における在庫数を調べるためには、どの店に何の商品がいくつ在庫があるかを調べる必要がある。
正解は⑥(あ)(い)(う)のすべて。

問4[ケ]

顧客がネットショッピングサイトにログインしたときに,商品の購入傾向が実店舗も含めて類似している他の顧客の購入履歴をもとにおすすめ商品を画面に表示する。

ショッピングサイトでよく見かける、「他の人はこんな商品も買っています」というおすすめ表示のことを言っている。ネットショッピング経験があるかないかで題意が理解できるかが分かれるかもしれない。情報教育においては、日常経験の差が広がらないように、授業で実際のショッピングサイトを見せる工夫も必要だろうと思う。

(あ)ポイント会員IDとネットショッピングのアカウントが対応付けられている
→ショッピングサイトを訪れたユーザーが、普段どの店舗を利用しているかの情報を知る必要があるので、この条件は必須。

(い)ネットショッピングで扱われている商品に実店舗で用いられている商
品コードが割り当てられている。
→「実店舗も含めて」なのでネットショッピングサイト上の商品と、実店舗の商品は紐づけられている必要があるから、この条件も必要。
【筆者所感】公開されている正答から上記のような解説をしたが、「購入傾向」「類似」というあいまいな言葉を使用しているから、私は必ずしも同じ商品コードである必要がないケースもあると考える。たとえば、商品のカテゴリや商品名で類似性を分析する場合である。実装を考える上では商品コードはネットショッピングサイトと実店舗で共通している方が作りやすいと思うので、間違いではないと思うが、「過不足なく含まれる」かどうかは疑問。

(う)商品コードと店コードから実店舗における商品の在庫数を調べること
ができる。
→おすすめ商品を表示する機能においては在庫数は重要ではない。
【筆者所感】おすすめした結果、在庫が0のものも表示してしまうのでは?というツッコミもあろうが、スーパーマーケットであれば通常すぐに在庫が補充されるから一時的におすすめ商品の在庫が0個と表示されることも許容されるであろう。

公表解答では③(あ)(い)が正解。



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