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学校サボってさ、海に行こうよ
高校最後の定期試験が終わった。
家から近くて、制服が可愛くて、偏差値帯がちょうど良いこの高校に合格したとき、それはそれは大喜びだったけれど、入学してから校風と自分の性格とがあまりにもミスマッチで絶望したことは記憶に新しい。高校一年生の頃から、ずっと卒業したいと思っていた。卒業を今か今かと待ち望む高一、なんか嫌だな。
バイトしてライブに行ったり、推しのグッズを買ったりと、十分楽しい二年間を過ごせたと思う。(バイトは無許可だったが)
三年生になって、嫌でも今後の人生について考えることが多くなった。将来やりたいことなんて思いつかないよー。大学には絶対行きたいと思っているのに勉強から逃げてしまう自分をどうにか押さえつけて、残りの一か月半頑張らないと。
夏が終わる頃、ほとんど話したことがなかったクラスメイトたちと、いろいろあって仲良くなった。きっと見つからないとは思うけど、万が一にもここを読まれたら恥ずかしいから詳細は伏せます。
もう遊びにも行ったし、みんなと話したくて学校に行くのが少し楽しみになった。早く卒業したいとばかり考えていた高一のわたしは、二年後のわたしがもうちょっとこの高校にいたいと思っていると知ったら驚くだろう。
なんか、あなたたちと親しくなれたおかげで、人との関わりの大切さを改めて知ることができた気がするよ。
帰りのSHRが終わって掃除のために机を教室の後ろに移動させたあと、いちばんに話しかけに来てくれたことに感動しちゃって、その日の帰りは泣きました。あったかいな、って。ほんとうにありがとう。
絶対に、ずっと、大切にしようと思った。かけがえのない友情って、こういうものなのかな。
今までの友人の多くがあんまり向こうから話しかけてくれるタイプではなくて、わたしが話しかけにいったり、連絡したり、遊びに誘ったりしていた。学校サボって海行こうだなんて言えない、どこか遠慮した関係だった。
だからこそ、話しかけに来てくれる友人っていうものに漠然と憧れていた節があるのかも。
なんか、幸せがこみあげてくる感じがする。
大切な人たちがいても、やっぱり落ち込むときは落ち込むし、つらくなる。どうしようもない不安も孤独も消えないけれど、少しは前向きに生きていけそうな気がする。
頑張れば頑張るほど、きっと後悔なくみんなと過ごす楽しい時間をむかえられるよね。
わたしがこんなに幸せでいいのかなとか思うけど、この文章を何十年後かに読んで、若いな~と思えるくらい、楽しく過ごせたらいいな、と思う。