僕らがまだ消費者だった頃~消費者→消費豚への変遷~
〈健全な「消費者」だった頃〉
僕らは一体いつから健全な消費者から、不健全な消費豚になったのでしょうか?私が覚えている限りでは、明確なきっかけとなる「デバイス」と「コンテンツ」がありました。そこから世界は便利になり、幸せになるはずだったのですが、いやなったのですが、一部の弱き者たちは(私もそうです)その魔法のようなものに魅かれて憑りつかれて、コンテンツをエンドレスでむさぼり続けた結果、気づいた時には人から
「豚」
になり果てて(※実際の動物の豚は可愛いですよ)、
「消費豚」
と蔑まれるべき存在へと変化、退化していったのです。消費者と消費豚は似て非なるものです。消費者から消費豚への変遷には、
「デバイスとコンテンツ」
を中心に考えていきたいと思います。全ては、消費豚を脱却するためです!退屈な内容かもしれませんが、現状認識への第一歩として、一緒にがんばりましょう。
まずは消費者だった頃のデバイスを思い出しましょう。
〈消費者の五大デバイス〉
①テレビ
②オーディオ(ラジオ)
③ビデオ(DVD)
④ケータイ(ガラケー)
⑤パソコン
これらのデバイスとの付き合いが我々を健全な消費者でいさせてくれました。①テレビでドラマやバラエティー番組を観たり、ゲームをしたり、②オーディオプレーヤーで曲を聴いたりラジオで深夜番組を聴いたり、③ビデオで好きな映画やアニメを観たり、④ケータイでゲームをしたり小説を読んだり、⑤パソコンでネットサーフィンしたりして過ごしていました。
厳密には、DVDが出てきた頃からパソコンが一家に一台普及した辺りではおそらくオタク界隈では「消費豚」が誕生していたのではないかと思われますが、まだ一般人には消費豚は一切いませんでした。
この時点でなぜ人は「消費豚」にならずに済んでいたかというと、旧世代では各デバイスには、
「制限」
があったからです。①テレビでは、家族との番組の取り合いという制限、②オーディオでは、CDなど購入しないといけない金額の制限、③ビデオでは、ソフトを購入しないといけない制限、⑤ケータイでは、まだ無料ガチャゲームは生まれていなかったため金額の制限、通常のインターネットとは違うため見られないものも多かったという便利さの制限、更に通信するごとにパケット料がかかるという面での金額の制限、④パソコンでは、今ほど使いこなせる人も多くなくシンプルなネットサーフィンくらいしか用途がなかったという使い方に関する知識の制限といったものと、ケータイと同じでwifiもなく「常時接続」がまだ一般化していなかった時代は接続料や時間といった制限も残っていました。
制限があるから、当然「消費豚」のように手軽にほぼ無料で無限に楽しむということができなかったのです。不便でした、、、それをぶち壊すきっかけとなった伝説のデバイスはもちろんご存じ、Appleの
「iPod」
iPodの誕生で世界は完全に変わりました。衝撃度で言えば、コロナ前コロナ後と同じレベルです。今のネットを介した「ストリーミングサービス」に繋がるものです。「ポッドキャスト」という配信サービスで、手軽に色々な番組を聴けるようになり、曲も無限に入れられるようになり、そこから発展して「iPod、電話、インターネット通信デバイス」の3つを合体させたさらなる奇跡のデバイス、
「iPhone」
が誕生し、このあたりから無料ガチャゲームも流行ってきて消費行動は加速していき、そこから更に発展して
「iPad」
が誕生し、そのうちドラマや映画もデバイスに入れられたり、机に向かわず「寝っ転がりながら楽な姿勢で」ネットで手軽に見られるようになりました。この頃には一般人の消費豚化はハッキリとした形で見えてきました。
「手軽に無料で無限に」
を実現した結果、人類は豚になったのです。それでも僕らは、姿勢も含めて「手軽に」ほぼ「無料で」コンテンツを「無限」に消費できる快感に酔いして幸せでした。うまいドングリ食って太ったイベリコ豚みたいな感じに人類を幸せな豚に変えたスティーブ・ジョブズは天才の中の天才で、魔法使いと言ってもよいのです。楽しい時間をありがとうジョブズ、一生恨むよブヒブヒ。「消費豚」となった我々をデバイスという点から眺めてみましょう。
〈消費豚の三大デバイス〉
①スマホ
②タブレット
③パソコン
iPhoneに代表されるデバイスの統合が進み、消費豚は3つのデバイスさえ使いこなせれば無限の食糧の海をブヒブヒ泳げるようになりました。①スマホだけで無料ガチャゲー、ネットサーフィン、動画サービス、などなど消費行動に関してはできないことはほぼないレベルです。それを大画面でよりエンジョイするための②タブレット。kindleに代表される「本」というコンテンツの消費者をも消費豚へと変えてしまうタブレットデバイスも普及しつつあります。更に③パソコンでは、後述する「Steam」などのコンテンツの誕生により、遊びきれないほどゲームを積んでしまうといういわゆる「積みゲー」も一般化してきています。以前はマニアックであった知識もかなり共有されてパソコンを駆使して「ゲーム配信」という創造と消費を同時に行うおばあちゃんなども話題となりました。世はwifi、これら①②③のデバイスはネットへの常時接続、場合によってはどこでも常時接続という状態で、ある意味SAOのように物理的にもネット世界に常に身を置いているのが「消費豚」の特徴です。
では次は、コンテンツの点から「消費者の消費豚への変遷」を見ていきます。
〈消費者のコンテンツ〉
・テレビ番組(ドラマ、アニメ、バラエティーなど)
・音楽(CD、ラジオ)
・映画
・ゲーム
・本(小説、雑誌など)
・インターネット
こういったコンテンツを先ほどデバイスの項で書いたような様々な
「制限」
の中で楽しんでいたのが「消費者」です。「制限」があったからこそ豚にならずに済みました。でも先ほどのiPodに代表される「デバイス革命」が起きてから、これらの「制限」は一気になくなっていきます。デバイスの進化に沿ってコンテンツの中でも革命が起きていきます。一番分かり易いコンテンツ革命は
「YouTube」
です。登場した当初はiPodのポッドキャストの動画版のような位置づけだったのですが、「Youtuber」という一般人でも配信することでお金を稼げるプラットフォームとなり、そのブルーオーシャン(未開拓地)に世界中の一般人が飛び込み一部は大成功をおさめ、今ではもともとメディアのプロだった人たちもそこへ飛び込み、レッドオーシャン(開拓されつくされた地)の様相を呈してきました。無限に投稿されるわけですから、消費も当然無限です。
他にも違法マンガサイト、違法動画サイト、違法音楽ダウンロードなども、URLさえ知っていれば誰でも手軽に足を踏み入れられる状況へと変わり、
「消費豚によるクリエイター殺し」
の時代へと移り変わっている中での、コロナ発生による
「コンテンツ需要の爆発」
という「今」に至っております。もしかしたら世界中の人たちが「消費豚」になり果てる危険があるからこそ、いやカッコつけるのはやめて、自分自身が「消費豚」であることに大変な危機を抱いているので、こうしてnoteで語っております。
では次に、「消費豚」は一体どんなコンテンツをむさぼっているのでしょうか。
〈消費豚のコンテンツ〉
・動画(youtube、ネトフリ、違法サイトなど)
・ゲーム(スマホゲー、PSやSwitchなどコンソールのゲームのダウンロード、Steamなど)
・読み物(SNS、kindleの本、noteなどのブログ、まとめサイト、5chなど)
これらの「消費豚」のコンテンツは、
「量」
の点での制限がありません。探せばほぼ無限にあります。頭の良い人たちが豚に永遠に餌を与え続けるために、様々な「プラットフォーム」を作りました。それらのプラットフォームは「消費豚化」の問題にも巧みに対応して、SNSなどに代表される、消費者を「簡易クリエイター」として参加させることで更に消費行動を呼び込むタイプも存在します。言い方は悪いですが、豚が自分の豚肉を提供して、人だった人たちも豚にさせる、みたいなゾンビの増殖的な状態と言ってよいかと思います。「創造」することは喜びなので、簡易に創造できるこういったプラットフォームは「消費豚が消費豚であること」への隠れ蓑となり、消費豚が消費者を消費豚へと引きずり込むという、
「消費豚のゾンビ化」
を生んでいます。これらプラットフォームの創始者たちはみな最初は完全な善意であったのだと思いますが、気づけば依存心を煽るだけの汚い商売へと成り下がっていると感じるプラットフォームも数多くあります。ジャンルごとに今パッと思い付く限り羅列します。
〈消費豚のプラットフォーム〉
・SNS系:Facebook、twitter、インスタ、ticktok→スマホが中心
・動画系:YouTube、違法マンガサイト、違法アニメサイト、Pornohub(18禁)→タブレットが中心
・ゲーム系:Steam、Epic→パソコンが中心
みなさんはこれらのうち、いくつを利用していますか。自分で数えただけでも、7個はほぼ日常的に利用しており、自分は完全なる「消費豚」であることを改めて認識しました。こういったプラットフォームの誕生により、「創造と消費」はごちゃまぜになり、いまや生まれて初めてスマホを手にした若者、かつてはネットに疎かった女性、18禁ポルノが大好きなおじさん、退職後にリラックスして過ごそうと考えていたお年寄りまでをも「消費者」から「消費豚」に変えてしまう可能性のある恐ろしいものなのです。こういった各プラットフォームの棲み分けにより事実上
「全方位外交」
となっており、老若男女に刺さるためこのままでは人類の大半が「消費豚」になってしまう可能性がある、「大変危険な状態」にあるのです。だから、もしあなたが「消費豚」を自覚しているならば、それは悪いことではなく、むしろ現状の問題点に気づいた、
「人に戻ることを諦めていない豚」
くらいの位置づけでよいかと思います。スティーブ・ジョブズという魔法使いにより、人類の多くが豚になった現状、人に戻ることを諦めていない豚だけが、スティーブ・ジョブズが善意で本当に目指した世界へとたどり着けるかもしれないと考えており、長々と書き連ねましたが、一日も早く
「脱消費豚」
を実現させたいのであります。だれか協力していいアイディア、アドバイスください。
〈不健全な「消費豚」のまとめ〉
・消費者が便利なデバイスと手にして「制限」がなくなると消費豚になる
・消費豚は自分も簡易なクリエイターとなり「消費豚のゾンビ化」で消費者を消費豚へと変えることに協力している
・消費者がコンテンツの「プラットフォーム」に居場所を見出すと消費豚になる
消費豚の現状認識に役立てばと思います。というか自分自身のためにまとめています。
英訳
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