人生のパートナー "楽器選定"
人生における大きい買い物ランキングに堂々上位で食い込んでくるであろう"楽器"。
その中でも特にファゴットは製造の都合上高価になってしまうもの。初心者モデルでも当然のように数十万円の価格設定になってしまうのは避けられません。
(楽器の知名度が上がらない一因はこのお値段ハードルが高いことなのではないかと思ったり思わなかったり…)
しかしそのお値段に比例して、ファゴットという楽器はほぼ買い替えが必要になりません。
お気に入りの一本に巡り合うことさえ出来れば、相応の長い時間を共に過ごすことのできる最良のパートナーに出会えるということなのです。
この記事をここまでお読みくださった方はきっとMy楽器購入の道のりにご興味のあるお方でしょう。
みなさんが少しでも最良のパートナーと出会えるよう、僕が選定士として加入しているサービスをご紹介します。
藝大の同窓生であるサクソフォーン奏者 松下洋さんが代表を務めているムートンストアです。
以下公式サイトより洋さんの熱意を転載します。
MOUTON STORE 代表 松下洋メッセージ
楽器を一生のパートナーにしてほしい
サクソフォンには吹奏楽部で初めて出会い、それから人生の大半をサクソフォンと共に過ごしています。
「どの楽器が良いのだろう」と悩み、沢山の種類の中から惹かれるものに目を輝かせ、メッキの色やモデルの違いに想像を膨らませ、この楽器でどんな音が出せるのだろう...とカタログを眺める所から楽しさは始まっていました。それからは、選んだ楽器が届くまでの日々を待ちきれずにワクワクしていました。
そうして自分だけの楽器と成長していく中で、クラシック音楽家の道を目指す事になった時に悲劇が起きてしまいました。自分の使っていた楽器はジャズサウンドを想定して開発されたモデルだった事、比較的廉価でプロに殆ど使っている人がいなかった事、そして各メーカーにもサウンドの種類があり、今の自分の楽器は「最良の選択」ができていなかったのではないかという事……
結局、郷に入れば郷に従えという訳ではないですが、楽器を買い直す必要があったのです。
各楽器メーカーの掲げているサウンドやコンセプトを知っていたら、当時違う選択をできていたでしょうし、楽器には意外にもかなりの個体差がある、という情報も当時知り得ませんでした。
事実、どんなプロ奏者も口を揃えて発信するのは「楽器は必ずプロに選んでもらった方がいい」という事なのです。彼らはプロですから楽器の個体差の程度を知っています。廉価なモデル、高価なモデルという違いではなく、修理や調整では覆し難い差がある事を知っています。それらはハンドメイドならではの楽器それぞれの個性でもあり、場合によっては優劣の時もあります。
どんな楽器を手にする時でも、どこに住んでいても自分に合った楽器を選んで貰いたい。
それならば更に、その道を極めたプロ達が「この楽器は、素晴らしい!」と責任を持てる一本を手にしてもらうことが最良の選択になるのではないか。それは、楽器との最高の出会いとなり、楽しい音楽の助けとなるに違いないでしょう。
信頼ある奏者の選定書を持つ楽器と共に、憧れが紡ぐ道へのスタートを歩んで欲しいと願っています。
わかるわかる…と頷きながら読んでしまう洋さんのご挨拶。語弊を恐れずに言えば、価格の大小やネームバリューだけでは量れないものが確実にあるのです。
人それぞれの骨格や筋肉のクセによる違い、ゆくゆくこうなっていきたいという理想のサウンド感。それに加えて楽器側の個体差がすさまじいことはメープルという天然素材ゆえ避けられないことであり、運命の出会いを果たすには本当に難しい行程を経ることになります。
僕自身、楽器との出会いにおいて演奏家として生計を立てるまでにずっと順調であったとは言えません。紆余曲折を経て今でこそこの楽器に巡り合うことが出来ましたが、今思えばもう少し遠回りをせず早い段階で出会う方法もあったのかもしれないと感じることもあります。
遠回りすることによるメリットは本当に数えるほどしかなく、一日でも早く心身ともにぴったりくる楽器と出会えることは幸せに他なりません。
今までの経験を活かし、少しでもそのお手伝いとなるようなことがしたいという一心です。
ぜひぜひ以下からお気軽にお問合せください!