俺のためだけの一本
どうぶつの森に視力を置いてきました。あれは小学生の頃、現実世界の時間より"森"で過ごす方が多く割合を占める生活。決して大げさでなく(むしろ話を盛っていてほしいくらい)それはそれはもうテレビの前のカーペットにお尻の跡がえぐられるくらい熱中したものです。
ニンテンドーswitch?でしたっけ。また"森"人気が再燃していますね。お仕事がなくニート生活の今、あんなもの手に入れてしまったらまた…"森"に命を奪われてしまう… 怖くて手が出せません。恐ろしい"森"です。
両親ともに近眼で(父親はなんと信じられませんが指を使った自力トレーニングで視力を回復したツワモノ。最初はメガネで取得した運転免許も裸眼でクリアしたようなのでガチ。そんなことあり得るんかい)おそらく遺伝的なものもあるのでしょうが、
人生の半分を近眼で過ごしてきた人間にとって唯一のたのしみといえるのがメガネ。
むしろこれ以外はメリットが無いのではないか…ムムム…
そんな近眼が近眼たる幸せを存分に噛みしめられる場所があります。白山眼鏡店。ぼくが愛してやまない名店です。
一本目は大学近くの上野本店で2年生くらいの時に購入しました。当時レトロなものに目がなかったぼくは、なるだけクラシカルなデザインのものを探し求めていく中でたまたま出会えた一本でした。瓶底デザインと迷いに迷って、こちらのブロウ。はぁ~かっこいい。
これをかけてたくさんの汗をかいたのでフレームの艶が飛んでしらっちゃけてしまっていますがまだまだ現役。
少々値がはるものの、バイト代をつぎ込んで無茶を。でもそれから7、8年経つ間に安さが売りの他店舗で購入したいくつかのメガネは寿命を迎えていきました。レンズが外れちゃったり鼻パッドがすぐ折れちゃったり…もちろん補償もしっかりしていません。安かろう悪かろうという言葉がこんなに当てはまるモノのジャンルもなかなか無いなというほど。
結局のところ一緒に過ごせた時間を換算すれば大得だったといえると思います。うん、お買い物ってそういうものですよね。
このメガネでたくさんの景色を見て、一緒にいろんなところに行って…目が悪いのも悪くないなと思えてしまうほど。
10年近く経てば顔も表情も少しずつ変わっていくもの。鏡に映る自分を見て何となくそろそろ新しい一本が欲しいなと思い、自由が丘へ選びに行きました。
メガネって不思議なもので、ほんとうにかけてみないとわからない。パっと見はあんまりピンとこないデザインでも、顔にあててみると元からその顔だったかのような自然さを出してきやがったり、すごく好みのデザインでもかけた瞬間顔が負けちゃったりする。
だからこそ選ぶ時間がすごい楽しいし、細かいディティールが一本ずつ違う白山のフレームに囲まれている時間は幸せです。
そしてこの眼鏡店のもうひとつの魅力は視力検査とタッチアップの丁寧さと細やかさ。カルテを記入して、例えばぼくだったら液晶よりは楽譜を見る時間が多いことや
骨格的にレンズが目から離れがちになること等も踏まえて度数やそのバランスをスタッフの方々が一緒に考えてくれます。まさに俺のためだけの一本!
つぎにセレクトしたのはキラキラした細いゴールドフレームのフチなし。レンズはライトグレー。こいつとは35歳くらいまで一緒に過ごすことになるかな?たのしみ。仕上がりは来月とのこと。完成が待ち遠しいことこの上ありません。