決算書を磨くとは?
決算書の内容を改善していく、すなわち決算書を磨くとはどういうことでしょう?
もう少し具体的に見ておきたいと思います。
金融機関が重視する指標には下記の2つがあると言われています。
・債務償還年数=負債総額÷(経常利益+減価償却)
20年以内がターゲット
これが返済期間より長いとNG
・自己資本比率=純資産÷総資本
30%以上がターゲット
役員借入を資本にみてくれるケースもある
実際には、債務償還年数と自己資本比率を上記ターゲットに近づけるには、月々の家賃収入だけでは非常に時間がかかると思います。
本業で稼いで資本金に投入するとか、物件を売却して売却益で稼ぐとかをしないと難しいかもしれません。
物件売却については次回以降で考えますが、重要なのはターゲットを明確に把握してそのための努力を継続するってことだと思います。
まずは自らの債務償還年数と自己資本比率を算出してみましょう。
現実はなかなか厳しいですよね。
債務償還年数の計算式にも登場しますが、少し減価償却について考えてみます。
賃貸経営中も売却時も減価償却は重要です。
賃貸経営中は、減価償却はキャッシュアウトしない経費になります。
これって、キャッシュフローの維持に貢献してくれるってことです。
納税額を抑えて、現金が残るからですね。
一方、売却益は売値ー簿価で決まります。
どれだけ減価償却をして簿価が下がっているかで、売却益も決まるってことです。
減価償却を多く計上すると、キャッシュフローは良くなる半面、売却益が増えるため売却時の納税額が増えます。
法人の場合、減価償却の上限額は決まっていますがどう使うかは任意なので、保有期間中の税率と売却時の税率を、減価償却を使ってある程度コントロールすることができます。
でも、どうコントロールしても金融機関の評価は変わらないと思います。
決算書を磨くって、簡単じゃないんです。
もう一度言っちゃいますが、現実はなかなか厳しいですよね。