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子どもの幸せを突き詰めると、「人とのつながり」にたどり着いた

はじめまして。
「リレーションシップスクール ようへん」代表の並木真人です。

対人不安、コミュニケーションが苦手な子どもを支援するオルタナティブスクールを立ち上げた経緯について、私の自己紹介を交えてお伝えします。

教育への課題意識

以前、人事コンサルティング・アウトソーシング事業を展開する会社に務めていました。
大手企業の採用活動を支援する中で、自分に自信を持てない、思い切り自己表現することができない学生と数多く接することで、教育への問題意識が芽生えました。
今後のキャリアの道として、教育を通じて人が社会で活躍する力を身につけることに貢献したいと考え、様々な可能性を探りました。
教育分野のキャリアを考えたときに見えてくるのは、学校の教師や、塾講師などの職業が主な候補でした。とても魅力的な選択肢ではあるものの、既存の教育制度に携わることは、自分が本来目指す教育のあるべき姿とは違うのではないかという感覚を払拭することができず、まずは今の教育の現場を自分の目で見てみたいと思うに至りました。

人事業界において労務管理支援事業に携わった後、「小中学校へのICT導入活用支援の仕事」と、「放課後保育事業でのロボット・プログラミング教室の仕事」とのパラレルワーカーとして教育分野に踏み出す決意をしました。

学校現場とロボットプログラミング教室

今の学校現場を自分の目で見ることで、これまで頭の中でしかイメージできていなかった多くのことが実際に解像度高く見えてきました。
学校の先生は業務量が多く、常に雑務に追われ、授業の準備時間を確保することがとても難しい状況をリアルに目の当たりにしました。
そして、1 クラスで先生が担当する児童の数は最大40名程度に達するため、個別対応が難しく、個性豊かな子どもたちに対して一律に対応せざる負えない状況がありました。
更に、教える教材や内容にもやはり一定の制約があります。
そのような環境の中で自分がやりたい教育を実現させることは非現実的なのではないか、ということを学校現場を通じて痛感しました。

一方、もう一つの仕事として講師を担当していたロボット・プログラミング教室の現場では、子どもたちがキラキラした目で取り組む姿を目の当たりにしていました。
上達するために順を追ってステップアップするためのカリキュラムはありますが、カリキュラムに沿ってワークシートに取り組んで進めることができる生徒は少数派でした。
大半の生徒は、誰に指示されるでもなく、自由にパーツを組み合わせて自分なりに試行錯誤しながらオリジナルの作品を作っていました。
そんなとき子どもたちの目は輝いており、自分でイメージを膨らませた不思議なタワーを組立てたり、車に色々な機能を追加しようとし過ぎて全く動かなくなってしまったり…、と苦戦しながらも楽しそうに取り組む姿がそこにありました。
そんな中で、ある生徒にこんな言葉を掛けられました。

このロボットはね、AI が入ってて自動でゴミを拾って分別してくれるんだよ!

今は小学生でも AI(人工知能)という言葉を知っていることに驚くととともに、自分が子どもたちに教えてあげられることの限界をその時に痛感しました。
AI や最新のテクノロジーに精通することで、生徒たちにより良い学びを提供できるのではないか?
学校現場で感じた教育制度のなかで自分にできることの限界、そしてロボット・プログラミング教室で感じた新しい教育への可能性から、このように思うに至りました。
まず自分自身が最新のテクノロジーを習得して、それを子どもたちへの学びに繋げていこう!

そして、AI や最新のテクノロジーを活かした事業への参画を次のキャリアとして考えていた中で出会ったのがキカガクでした。

先端技術教育のトップ企業

「文系でプログラミング経験ゼロから、2 ヶ月で AI の講師として登壇できるようになる」という高いハードルをクリアして大きく成長することができました。
第四次産業革命スキル習得認定講座の講師として、長期間の育成プログラムに登壇したり、さまざまな大手企業の研修講師として人材育成に携わってきました。
セールス担当としても多くの新規顧客企業の獲得、育成支援に成功し、2 年間で延べ 1.5 億円売り上げ規模を作り出すことができました。
先端技術教育において、日本の産業を経済力を高めるために大手企業のデジタル活用、デジタルトランスフォーメーションを推し進めていくという、とてもチャレンジングな仕事でした。
共に働くメンバーも、教育に熱い想いをもつ方ばかりで、一緒に困難な事業に挑戦していくことにやりがいも誇りも感じてました。

長男の不登校

勉強が苦手で、友だち付き合いも得意ではなかった長男。
1年生の2学期ころから、学校に行くのを嫌がり、休みがちになるようになりました。
朝起きると、学校に行きたくないと言い、ため息をつきながら登校していました。
それでも、嫌がる長男の背中を押して、教室まで付き添い登校することを続けました。
教室に入るのが嫌で、涙を流して抵抗することもありました。
それでも、仕事があるから、と無理に学校へ行かせてしまっていました。
寝る前や朝起きると、学校へ行きたくない、とボロボロと涙をこぼすようになりました。
そして2023年、2年生の5月に、ついにどうしても行けなくなってしまいました。

新しい学校

学校へ行くプレッシャーから解放され、長男は少しづつ活力を取り戻すようになりました。
そんな長男の希望になれば、とはじめたのが「新しい学校」でした。
人とのコミュニケーションが苦手な長男に合わせて、さまざまな取り組みをするなかで少しづつエネルギーが湧いてきました。
私自身も、子どもの発達心理理論について必死で学び、さまざまな社会的課題も見えてきました。
「こどもが人と人との豊かなつながりを築き、幸せな人生を歩むためのサポートをしたい」
そう強く願うようになりました。

ビジネス領域で教育をやってきたからこそ、できることがあるはず

対人不安やコミュニケーションが苦手なこと、学習面での遅れがあることなど、児童精神科の医師やカウンセラーにもこれまで相談してきました。
そこで救われる方も多いと思いますが、やはり限界があって長男の本質的な助けにはならないという限界も感じてました。
「学校」では難しいこと、「医療」とか「療育」でもできないこと、その枠を超えてできることがあるのではないか。
AI(人工知能)やプログラミングなど、先端技術教育にも知見があり、
子ども向けのロボットプログラミングスクールの講師も経験し、
東京都の ICT 教育導入にも、先生たちと一緒に現場で実践してきました。
そんな自分だからこそ、今までにはない新しい教育の価値を作り出せるのではないか、そんな確信をもってオルタナティブスクールを本格的に立ち上げることを決意しました。
キカガクでの仕事には非常にやりがいを感じており、日本のあらゆる産業へのデジタル活用推進の支援にまい進することにはこれからも取り組んでいきたいと強い想いがありました。
一方で、自分の隣には、学校へ行けずに教育の機会がない長男が苦しんでいる。
こんな理不尽なことはない、と思ったときに、未来の希望そのものである子どもを救うための教育に今こそ自分が取り組んでいこうという熱い想いが心の底から湧き上がってきました。

「人とのつながり」にたどり着いた

学校へ行かなくなって真っ先に不安だったのは、学校の先生や友達との関係性が切れることでした。
学習面での不安もありましたが、それはもっと大きくなってからでも、長男自身がやる気になったとき、いつでも取り戻せるだろうと考えました。
一方で、人とつながり、心を通わせる喜びを感じることは、一朝一夕に築き上げることは難しいと思うのです。
いろいろな人と話をしたり、一緒に遊んだり、喧嘩したり、笑いあったり、そういった感情や経験を共有することで、心を通わせる喜びを感じたり、自分と人との違いを感じたりすることを通じて、人は自分に自信を持ち、成長していくことができるのです。
日々、人と心を通じ合わせてさまざまな経験することが、そのまま心の栄養になり、人を信頼し合える素敵な人間性をつくり上げていくのです。
子どもは、学校以外の居場所は驚くほど少ないという現状があります。
学校へ行けなくなってしまうと、途端に家に引きこもってしまうことになり、家族以外との人間関係が断たれてしまいます。
さらに学校へ通っていたとしても、人とつながることが難しく、孤立してしまう子供も存在します。
そんな、繊細でとてつもない可能性を秘めた子どもたちが、人とつながる力を育み、人とつながる喜びを感じ、自信を持って自己表現ができるよう、「リレーションシップ」に特化した学校を作ります!


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